文章で稼ぐ贅沢

作詞からプログラミングまで、文字を並べて生きる物書きのひとりごと @ 逗子

タグ:送り火

西日本では記録的な豪雨で災害が多発している7月。それに対し、南関東では空梅雨かと思うほど雨が降らない。

我が家の周りの花たちは、アガパンサスから夾竹桃へと主役のバトンタッチを始めたけれど、なんだか元気がないのは水が足りていないからだろうか。

flower

窓を開けるとモンスーンみたいな蒸し暑さ。床でへたっている与六のためにエアコンを入れると、風がいちばん当たる場所に転がって、モフモフのお腹を広げる。ニャンコにとっては厳しい季節。これから9月の半ばまで、電気代が嵩むのは致し方ない。

yoroku

この2カ月間は、半生でいちばん働いたと思う猛烈な忙しさだった。毎日2〜3時間の睡眠で、食事も不規則。曜日の感覚すらない状態が続いて、よく身心を壊さずにいたものだが、まだ当分はハードワークが続きそうな状況である。

外に出ないままに、氏神様のお祭りの賑わいが聞こえてくる週末。
PCに保存してある画像をチェックすると、ちょうど10年前の今ごろ、お神輿を追いかけて歩いたときの写真を見つけた。コロコロと肥っていた私が、そこかしこの道を酔っぱらって歩いていたのだと思うと無性に恥ずかしくなる。

お祭り

お祭り2

旅先で撮った写真も見つけて、撮ってくれた人に語りかけてみた。私は成長しましたか? それとも相変わらずのワガママ女ですか?

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空に旅立ってしまった人からの返事がない代わりに、窓の下を通り過ぎていく山車(だし)から聞こえてくる笛太鼓の音。新盆の関東では、お盆の期間だったのを思い出した。

空梅雨の夏、猛暑の夏、急ぎ足の夏。あと幾つの夏を越すかは分からないけれど、いつかは私にも送り火を焚かれる番がやってくる。10年ひと昔でワープしてしまわないよう、仕事ばかりじゃなく、今のうちに遊びも旅も満喫しなくちゃいけないな。あと一踏ん張り働いて、8月のカレンダーには空きを沢山つくることに決めた。
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8月16日の今日は送り盆。といっても特別なことはしない。
祖父母のお墓は車で10分程度の距離なので、月に数度はお参りに行っているからだ。
家庭事情が複雑なためお位牌は寺院に預けているのだが、それより直接お墓を訪ねるに越したことはないと思っている。

従ってお盆期間は家族代々のアルバムを眺めたり、親戚縁者でなくても親しかった故人を偲んだり、家でのんびりと過ごすのが習慣だ。

古いアルバム


一昨日、とてもお世話になった方が亡くなったと連絡を受けた。
去年の夏に癌が見つかって手術。その後経過は良好、自宅で静養中と聞いていたのがまさかの訃報である。
読み慣れた字で「今は小康を得てのんびり過ごしています。またお目にかかれる日を楽しみにしています」と葉書が届いたのは2ヶ月前。最近幸せ太りしてる私の写真を送り、そろそろ返事を頂けるかなあと心待ちにしてた矢先だった。

優しくしてくれた人、愛してくれた人・・、亡くなった人たちは何処へ行ったのだろうと想いをはせる。それに対しての意見は様々だ。
天国に行き、仏様にお仕えしているのだと言う人。
肉体は単なるかぶり物であって、魂は何度も生まれ変わっていくのだと言う人。
この空間からは去っても、同じ魂がパラレルワールドの中に存在していると言う人。

俗にいう「虫の知らせ」とは、現世から旅立って叡智を得た彼らからのメッセージなのかなと考える。何故なら親しかった人たちが亡くなるにつけ、地震や事故を予知したり、私に近づく人間の善悪が見えたり、不思議な力が高まっていくからだ。

大好きだった人がまた1人、向こう側に行ってしまった。
「ゆり子ちゃん、平気平気。死んでみたら大したことなかったのよ」と、気丈な彼女の声が聞こえてくる。きっと遠くはない場所にいるのだろう。

いつも守ってくれる誰かに、朝起きたら感謝、夜寝る前にも感謝。
今生きている生きていないに関わらず、私にとってお盆とは「ありがとう」を伝えたい人たちを、指折り数えて思い出す期間なのかもしれない。
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なんだか眠れないままに夜を明かした。
窓の外が白み、目に痛いような太陽が昇ってくる。
朝に気づいたセミが、静寂を突き破って一番目の鳴き声をあげる。

日の出1日の出2セミ


東京で暮らしていた頃と比べると、空を眺める機会が圧倒的に多くなった。毎日表情を変える天空のキャンバスにカメラを向けては、たぶん一生に一度しかチャンスのない写真を撮っている。

日が昇り、うかうかしていたらすぐに日暮れ。
人生もし80年生きるとすれば、この繰り返しを29,200回も体験していくのだ。その中で泣いたり笑ったり、他人からみればちっぽけな営みでも、2人として同じ人生はないのが不思議だ。地球の営みの中で、今日の空はこれ1回しかないように。

雲1雲2


ミュージカル『屋根の上のバイオリン弾き』の主題歌『Sunrise, Sunset(サンライズ・サンセット)』が、今日は何度も心にリフレインする。

Sunrise, sunset.Sunrise, sunset.
Swiftly flow the days.
Seedlings turn overnight to sunflowers,
Blossoming even as we gaze.

Sunrise, sunset.Sunrise, sunset.
Swiftly fly the years.
One season following another,
Laden with happiness and tears.

(日は昇り、また沈む
 あっという間に毎日が過ぎる
 苗は一晩でヒマワリなってしまう
 私たちが見ている間に花開く

 日は昇り、また沈む
 あっというまに月日が過ぎる
 季節は次に移ろい
 幸せと涙をどっさりと載せて)


人生最高の日もあるだろう。悔しくて涙が止まらない日もあるだろう。
人はこの世を去る時、回転木馬のように一生を再体験するというのは本当だろうか。

送り火を焚く盆明け。亡くなった友人を送る小さな集まりに、今夜は参加する。
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