文章で稼ぐ贅沢

作詞からプログラミングまで、文字を並べて生きる物書きのひとりごと @ 逗子

タグ:婚活

早く咲けと花を急き立てるように降る雨を「催花雨」と呼ぶそうだ。一日降り続いた静かな雨のおかげで、ベランダのプランターに水をやらずに済んだ朝、眠い瞼をこすりつつ家を出た。相変わらず書斎ごもりが続いて、昼夜逆転している眼には、久々の空がまぶしい。

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毎年ながら思うのは、お正月が終われば春のくるのが早いこと。一年の計が手付かずのうちに、すぐ夏が来て秋が来て、子どもの頃の4倍速ぐらいで時間が過ぎていく。

とはいえ終活をするにはまだ早いので、思いきって婚活を考えてみた。第二の人生も悪くない。
「まだ大丈夫かな?」と周りに聞けば、お世辞かどうかは別として、選り好みしなければイケるとの応援。どこに縁が転がってるかもしれないと思うと、お出かけの服選びにも気合いが入るというものだ。

でもねぇ、何だかねぇ。
都内へ向かう横須賀線の中、向かいのシートに座っている男性たちを眺めると、気が滅入る。
大股を開いて携帯で喋っている人。
息をするたびに鼻毛がチロチロ震える人。
ワイシャツのボタンがはち切れそうな脂肪を蓄えた人。
スマホをピコピコ鳴らしながらゲームに興じている人。
加齢臭だらけのステンカラーコートを着た人。

自分のことは三階の神棚に上げておいて、惚れたくなるような男性は見つからない。これを選り好みと言うんだなと苦笑いした。

そんな自分に対して、心の中に棲んでいる昔の私がささやく。
「好きになった人がタイプでしょ?」
「見た目じゃなくて中身でしょ?」

その通り! 過去の恋愛を振り返ると、ルックスに惹かれて付き合った人とはうまくいかず、ことごとく別れているのだ。曇った眼鏡を磨いて、人のハートを見なくちゃ。

幾つになろうが関係なく、新しいことを始めたくなる季節。私にも催花雨が降り注ぐ春である。
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小学生の頃、自分は何歳まで生きるべきかに悩んでいた。30歳を越えたら老人で、しかもショートカットの女性は美意識を捨てた末路だと確信していたのだ。若さが人生のプライオリティと思った根拠は思い出せないが、年取ってまで生きたくないボーダーラインは、20歳を迎えたときには40歳、30歳では60歳、40歳では70歳という具合に許容範囲が広がってきた。その年齢を迎えても自分はまだまだイケてると自惚れるのは、私だけではないだろう。

今日は夕食をとりながら、NHKのクローズアップ現代「老いて 恋して 結ばれて 〜超高齢社会の“男と女”〜」を見た。シニア世代の婚活が活発化しており、65歳以上で結婚する人は1990年以降、4倍の増加だという。一例として登場したのは結婚相談所に登録した61歳の男性医師(結婚経験なし)で、自分より20歳以下の相手を求めていた。美人に目を付けたら「お父さんの歳なので」と断られてもめげず、お見合いを繰り返し、やっとお付き合いをOKしてくれた女性とはLINEで繋がって、ラブラブのデートをしている様子が映し出された。

しかし何故そんな年下を望む? 驚いたのは番組の取材で、「自分は実年齢より10歳以上若い」と思っている男性が多かったこと。上記の医師もダンベルで鍛えた上腕筋を見せて若さをアピールしていたけれど、髪がフサフサしていようが日焼けしていようが、なんか無理しているなあと悲しくなってしまった。残念なことにメイクしている女性に比べて、素顔の男性は顔の老けが目立つ。ガードやお手入れをすることなく、紫外線を浴びまくってきたせいか、刻まれた皺やシミが実年齢を物語っているのだ。でもまあ女性だって、ファンデの厚塗りで皺が鎌倉彫みたいに際立っている人も多々いるけれどね。

若く見られたいと思うのは全世界・全年齢が共通の願いだろう。身体の生殖能力が衰えようと、潜在意識には種の保存のために異性をゲットしたい欲望が根付いているからだ。羨ましい例として番組が取材した熟年夫婦では、孫に等しい子どもを設けたラブラブの家庭が登場していた。その歳でエッチできるんだ!と感動して、日本の医療技術は生殖年齢アップに向けるべきでは?と思ったほどである。経済に困窮している日本は、働く若い人口を増やさなければ年金支給も滞ってしまう。よって二重対策として経済力がある年代には、終戦後の「産めよ増やせよ」を促す時代が来るかもしれない。映画「コクーン」の爺ちゃん・婆ちゃんだ。

ネットで申し込んだ、サントリーの「セサミンEX無料お試しモニター」当選の通知とサンプルが届いた。同封されているお客様の声には驚きの効果が掲載されている。90粒入りを1日3粒飲み続けてどんな変化が起きるのか。1か月後には10歳若く見られたらハイテンションでキャピキャピしてやろうと、捕らぬ狸の皮算用的な妄想を抱く。よーし100歳まで生きてやろうじゃないか!って、う〜ん、私は今いくつ?

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自分をさておき、人を美醜で判断してはいけない。しかしどう贔屓目に見てもルックスが宜しくない方が性格までも醜悪と判断されたとき、「一円玉ブス!」(これ以上崩せない)もしくは「猿人ブス!」(原人に進化する前のケモノ)と心の中で怒鳴ってしまう至らないワタシ。街角で電車で居酒屋で、その種に出会ってしまったときは目が離せなくなり、お嬢様学校に勤務する修身教師になってイラついてしまうのである。ああ、最も性格が悪いのは私だ。

友人に招かれて出かけたビーチパーティー。午後1時過ぎに到着するとBBQの第一戦は終わり、主催者たちは補給の買い物に出かけた様子である。この日のために取り寄せておいた赤ワイン2本をクーラーボックスに入れて周囲を観察していたところ、最も危ないと思えるベロベロに酔った見知らぬ女子が近寄ってきた。「酒くれ!」とクーラーボックスを開け、私がつい先ほど入れたばかりのワインボトルを開けようとするのである。

「ごめんなさい、これは主催者にお見せしてからね」と声をかけると、「2本あるのにいいじゃん!」と怒鳴られ、「しゃーないから自分が持ってきたのを飲むよ」と、スクリューキャップの白ワインを抱えて退散。あぐらをかいてマイボトルを飲みほした後、飲みかけの缶ビールを持ったまま爆睡している。ごめんなさいっ、その姿、教科書に載っていた北京原人を想像してしまった。

でもどこか懐かしいのはなぜ。70年代の学生フォークみたいなファッション。一重瞼にヘアスタイルは「おすべらかし」(平安時代のストレートヘア)。くるんとした丸い鼻から鼻提灯が出ているのは笑えるが、よく見るとメイクもせずに透き通った綺麗な肌をしている。黙ってれば無垢なカワイイ寝顔じゃないですか。日本人の原点じゃないですか。

もうちょっと痩せて明石家さんま的パーツを矯正して、ファッション上手になって、「オレ」じゃなく「ワタシ」と綺麗な言葉を話したら、頭のいい貴女がこれまで一生懸命勉強して身に着けたスキルも、小保方マジックみたいに100倍の注目度を得られるんだよ。STAP細胞の真偽はともかく、才色兼備で初心なタイプこそ文明人のアイドルになれるのである。

全員が注視するなか熱中症寸前で目覚め、それまで周りが水分補給をしたり足に水をかけたりとケアしてたことを一切知らない彼女は、「ビールだ!」とクーラーボックスに突進した。再開したBBQの焼き物を頬張って元気復活。自分の理想に合わない男たちを卑下しつつ、これから婚活を頑張ってスーパーエリートをゲットするぞと、お父さんの年齢に近い男性に豪語し始めたのは面白すぎた。

そうだね、頑張れがんばれ!その強気は恋愛ドラマのように男を制すかもしれない。また何かの縁で再会したときにはオレサマ的な「悪デレ」言葉を止めて、素のままのカワイイ貴女を見せてくれたら、隣にはきっと理想の彼氏がシャンパングラスを差し出して待っているだろう。キーンと冷えた泡のボトル栓を抜いてくれたとき、「ごちになりっす」じゃなく「いただきます」と言うんだよ。この夏のハッピーエンドを楽しみにしながら、逗子の恋愛ステージ本番が始まった。

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「婚活」という言葉は、女性だけに該当するのかと思っていたら違った。なんと未婚男性に対して結婚術を教える「花婿学校」が人気だという。
結婚に向けての意識改革に始まり、出会い方法の伝授、服装や髪型のアドバイス、デートプランのセレクト、会話術などを懇切丁寧に教える講座である。「マイフェアレディ」や「プリティウーマン」のメンズ版みたいで、是非とも三谷幸喜氏あたりにコメディ映画化して欲しいと思うほどだ。

夕刊フジBLOGの記事『結婚力養成講座「花婿学校」を実体験!』を読んでみた。男性に向けた「結婚するための十カ条」を引用させて頂く。

一、服装や髪型などに気を配り、第一印象をUPさせる
二、ファッション誌などからコーディネート術を学ぶ
三、日ごろからインターネットなどで、店などの情報を収集しておく
四、友人や会社関係から、紹介してもらえるような関係を築く
五、パーティーは訓練の場だと思って、どんどん出かける
六、話題に困らないよう、ネタをたくさん用意しておく
七、会話中は相手の話に耳を傾け、笑顔で返す
八、どんなことにも好奇心を持って生活をする
九、交際経験を積んで、慣れることが大事
十、失敗に傷ついてるヒマがあったら、笑い飛ばして自慢しよう

なるほどね〜。でもこれは婚活のためではなく、モテたい男の十カ条じゃないだろうか。女性の立場から言えば、テキトーな遊び相手にはOKでも、結婚相手にはNGな男に思える。特に「交際経験を積んで、慣れることが大事」だなんて、結婚には「愛」は要らないと言ってるようで失礼千万だ。

今の日本、いくら離婚率が高くなろうと、最初から別れるのを前提に結ばれるカップルはいない。出来るならば死ぬまで相手と添い遂げたいと夢見るのが結婚であろう。
では死ぬまで一緒にいられる条件とは何か。これまで数多くの女性たちから聞いてきた意見では、経済力、思いやり、価値観の一致、セックスの相性、お互いに健康であること・・等々、付け焼刃では身につかないものばかりだ。

自分の趣味ではない服装で身を固め、仕事のスキルアップに使うパソコンでデートスポットを探し、本当は居酒屋が好きなのにフレンチに行き、価値観が伴わない会話に笑顔を返して、いったいどこが婚活か。数回のデートで化けの皮が剥がれるのが落ちだろう。

幸せな結婚をしたい男性方々へ。モテる男のステレオタイプになる必要はない。それは新宿のホストで充分だ。
大切なのはどこか一点だけでいいから、誰にも負けない自信を持つことだ。できればそれが経済力に結びつくように、地道な努力に励んで欲しい。頑固者でない限りは、ルックスやセンスは彼女の指導の下にゆっくりと磨いていけばいいのだから。

ここまで言っても解らない男性方々へ。あなたがどうすれば本当の愛を掴めるか、学校へ行かずとも私が教えてあげてもいい。心を開いてくれるなら、1時間もあれば充分だ。
デキる社員を育てることと、デキる花婿を育てることはきっと同じ。船井幸雄氏も言っていたように、大切なのは「けなして変える」ことでなく、相手の長所を「褒めて伸ばす」ことだ。あなたが見栄を張りたい部分より、自分で気づいていない地味な部分こそ、本当は最高に格好いい所なんだからね(^_^)
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沈丁花が香り、こぶしの花が舞い始めると、卒業式のシーズンだ。黒っぽい服装が行きかう街に、はかま姿や振袖の女子大生たちが華やかな色彩を連れてくる。

私の通った女子大はミッション系。卒業式にはグレーの制服の上にマントを着て、房飾りの付いた帽子を被るという堅苦しい服装だった。ところが中身は見栄の張り合いで、薬指にエンゲージリングをはめ、父兄席には婚約者が座っているのも珍しくない光景。お嬢様の結婚組か、一流企業への就職組か、バブル期の恵まれた時代だったと思う。

時は流れ、今春卒業予定である大学生の就職内定率は、景気後退の影響で5年ぶりに前年を下回っているそうだ。袴を脱いでリクルートスーツに着替え、また月曜からは就活に走り回る女子大生も多いことだろう。いっそ婚活に励もうとしても、経済力の低下した男性が増えればそれも難しい。何をしたらいいの?と宙ぶらりんな状態は居心地が悪い。

最近お気に入りの本、ヨゼフ・パイオンの『おとなのひとにいってほしかった24のこと』(祥伝社)に、『「3年間くらいは捨ててしまいなさい」といってほしかったです』の一節がある。お借りして抜粋してみよう。
「若いときの2、3年間なんて今思えば本当に一瞬の出来事で、ないに等しいものでした。そのないに等しいときにつらいことをすませておけば、どんなに良かったことでしょう。
外国に留学して外国語を習得したり、ピアノや楽器などの習いごとや本を読むなどを強制的にやらせてほしかったです。自分を磨くだけに、たった3年間捨てるだけでよかったのですから。
3年間、ないつもりで頑張れば何でもできるはずです。3年間ひとりになり、やりとげることで、体験が実績となり、知識と技能は実力となって自信を生むよいチャンスだったのです。」

鉄は熱いうちに打てという。私は卒業後に結婚、すぐに離婚して物書きになったが、今になって後悔するのは30歳前に小さくまとまってしまったことだ。親のすねかじりで迷惑をかけたとしても、語学、芸術、経済、政治・・と貪欲に学ぶ数年間があれば、どんな職業の選択も可能だったと思う。物書きという職業にせよ、書く文章の幅はもっと広がっていたはずだ。

若さの特権は、現在と未来の時間を沢山持っていることである。受験勉強と学校で得た知識だけで満足せずに、自分の可能性を磨いて欲しい。フリーターだって目的があれば悪くはないと思うのだ。30歳になって後ろを振り返り「失われた10年」にならないよう、右へ習えの就活・婚活で満足してしまわないように願っている。

こぶしの花
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