文章で稼ぐ贅沢

作詞からプログラミングまで、文字を並べて生きる物書きのひとりごと @ 逗子

タグ:噂話

人間は噂話を好む動物だ。「ここだけの話」と言われると何々?と身を乗り出し、相手がヒソヒソ声であるほど聞き漏らさないよう耳ダンボになる。しかし「ここだけの話」は風に舞うタンポポの綿毛みたいなもので、聞いた人が身に付けてまた別の場に持っていき、塵や埃までひっつけて広まっていく伝言ゲームだ。

噂になってることを知らないのは話題の中心人物のみ。「人の口に戸は立てられぬ」(世間の噂や評判は防ぎようがないこと)の諺そのままに、この人は信用できると思って悩みを打ち明けたことが仇になるのである。

実はこの数週間、三角関係の恋愛がらみの件で友人から相談を受け、どう円満に収めたら良いものか悩んでいた。しかく三角が円になることはなく、誰かが弾き飛ばされるか、下手すれば全壊だ。

そこで自分に出した結論は「見ざる聞かざる言わざる」だ。「へぇ、そうなの」と相槌を打っても聞かなかったことにして、その場限りに徹すること。濁った感情をいつまでも胸に溜めておかないよう、心の受け皿をザルにするのである。

それでも後日また相談された時には、頑なに「聞きたくない」なんて遠ざけず、ザルの心で新たな時点からスタートすればいい。誠心誠意その場でお付き合いして、私に話したことで少しでも楽になってくれれば良いのだ。悠久の宇宙の時間に比べたら微々たる人生、きっと成るようになるんだから。

風邪が長引いたり、度々熱が出たり、なんだか体調がすぐれないこの頃。厭世的な気分に陥らないよう、いやな匂いのする人間関係には深入りしないことにした。キャットタワーのてっぺんから下界をウォッチングしている猫のように、良い匂いがしたときだけ尻尾を立てて降りていくことにしよう。他人よりも自分をまず大事にしなくてはと思う、秋の後半戦である。

DSC_0663
    このエントリーをはてなブックマークに追加

ウェスティンホテルのレストランの従業員が、有名人の来店情報をツイッターにリークしたことが波紋を広げている。それも「今夜は2人で泊まるらしいよ」との書き込み。ホームページには総支配人からのお詫びが掲載されているが、顧客の守秘義務に関して最も厳格であるはずのホテルが、スキャンダルの発信源になったとは世も末だ。

こんな大きな出来事ではないが、私も2週間ほど、ある店に対してかなり腹を立てている。しばしば通っていた立飲み屋の店主が、常連のAさんと私がデキていると他の客に喋った。
「猫の話をしてイチャイチャしてたよ。あの二人は付き合っている」と、事実無根のシーンを勝手に作り上げて、店内で噂したのである。客のプライバシーには口をつぐむべき店主が、早とちりをベラベラ喋る行為は信頼を失くす。今までブログで宣伝もしたし、友人たちも紹介したけれど、もう二度と行かないことに決めた。当人は「Bさんから聞いた」と責任転嫁しているが、さらにお客を巻き込むことで不愉快さは広がっていく。

そう言えば一昨年のブログに「二度と行きたくない店」という記事を書いた。店主の奥方が「あの女は男を探しに来てるのよ」と、下衆の勘ぐりをしたことに猛烈に腹が立ったからだ。女が一人で飲みに行けば、男漁りが目的なわけ?この居酒屋が今はどうなってるか知らないが、客の中傷や噂話をする店には、自然と他の客も足が遠のくはずである。

そもそもスキャンダルのどこが面白いのだろう。誰と誰がくっ付こうが別れようが、知ったところで人生の何の役に立つのだろう。自分の頭のハエを追え!だ。

ウェスティンホテルの従業員は、あっという間にネットの晒し者になり、氏名や学校、顔写真まで出回った。当分は近所を歩くことも出来ない生活が続くだろうが、たった一言、たった一行に重責が付きまとうのを知るべきだ。天に向かって吐いた唾は、自分の顔に落ちてくる。
    このエントリーをはてなブックマークに追加

このページのトップヘ