文章で稼ぐ贅沢

作詞からプログラミングまで、文字を並べて生きる物書きのひとりごと @ 逗子

タグ:スーパームーン

スーパームーンから一日遅れ。地球との距離は昨日より遠くなったけれど、ぼやけたオレンジ色の月よりもクリアで白くて、月光浴にふさわしいお月さまだ。しかも光り方がUFOみたい。窓ガラスに鼻を引っ付けて「ベランダへ出たいニャン!」とせがむ与六は、特別な夜だから獣の本能を取り戻しているのだろうか。

20130624スーパームーン翌日

最近ブログのアクセス数が急増した原因を探ってみたら、約2年前に書いた「願い事ではなく感謝をしよう」というスーパームーンの記事。この当時は東日本大震災が発生して福島原発事故が起こり、パニック状態となった私は家から出られずにいた。1日2回の計画停電のために原稿の締め切りが遅れに遅れ、携帯からは緊急地震速報の受信音が心臓を突き破るように鳴り、原発のメルトダウンで関東は終わるという噂まで流れ、猫を抱えて万事休すの茫然自失状態になっていたのである。

そんな時に飲み屋の常連たちから「出てこいよ」のお誘いがあって、大震災以来初めて街に出たのが2011.3.20のエクストラ・スーパームーン。ボサボサ頭で辿り着いてカウンターで乾杯をした直後にも大きいのがグラグラッと来たが、顔を見合わせながら皆が怖い思いをしていることで「一人じゃないんだ」と妙な連帯感を得た。

しかしその年明け後に色々な人間事情があって不本意な噂話を振りまかれ、店にはもう2度と行っていない。それでも私以外の常連たちは仲良く集まっていると思っていたら、店主の号令一発で集まったはずの面々はほどんど足が遠のいていると人づてに聞いた。盛者必衰みたいな陰口が四方八方から耳に入るけれど・・・ね、あの人は悪人じゃないと思うよ。時の運に逸れただけでしょ。原点に戻れば復活できる。

人間性善説な私は周りからお人よしと笑われようが、一度心を開いて繋がった縁は切れないと思っている。長い月日が過ぎて腰が曲がり白髪頭になったころに、急な大接近が起ってハグできる時が来ると信じているのだ。

地球を周りながら接近したり離れたりしているお月さま。闇夜の時だってあなたが私を見て下さってるのは知っています。たまたま昨夜は雲に邪魔されたけど、今夜は「ここにいるよ!」って大威張りで登場してくれました。その証拠に昨夜の写真と今日の写真と比べて下さいな。同じカメラで撮ったのに、あなたは漫画の星マークみたいに輝いていますよ。

20130623スーパームーン

20130624スーパームーン翌日2

外へ出たがる与六を抱っこしてちょっとだけお散歩。私たちを照らしてくれる1日遅れのスーパームーンに向かって、一昨年の記事に書いたように「ありがとう」を言った。それは馴染みの仲間たちが再び集っている情景を思い浮かべての未来へのありがとうである。
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5月5日のスーパームーンに続いて、次の天体ショーは5月21日の金環日食だ。サングラスでは目を傷めると聞いたので、amazonで検索して日食専用メガネを注文した。おもちゃみたいな厚紙で出来た799円のリーズナブルなグッズだが、せいぜい1時間ぐらいしか使わないので充分だろう。

しかし宅配便のお兄さんから受け取った箱の大きさにはビックリ仰天した。サイズの割りに超軽い段ボール箱の中に、平ぺったい用紙に貼りつけられた「学研の付録」みたいな「セーフティー日食ビューアー」という眼鏡が入っている。「金環日食ジャパン2012」のロゴを見て、なぜだか「エキゾチック、ジャパン!」と歌う郷ひろみの顔が浮かび、もしかしてバブル再来の兆しではと予感した。政府と日銀のチマチマした対策は見透かされており、今を生きたい国民は景気がドカーンと上向きになる奇跡を願っているのだ。頑張れ日食!

日食観メガネ

今夜は月の出を待ち構えてスーパームーンを撮ってみた。2012年の全ての満月に対して、14%大きくて30%明るいそうだが、去年の3月20日のサイズには到底及ばない。しかし爆発しそうな原発事故の行方に怯えることもなく、計画停電で真っ暗になった部屋で月明かりに頼ることなく、のほほんとした平和な夜が幸せだ。

ネットでは相変わらず巨大地震や福島原発の終焉を語る「金○○」とか「ニニ○」とかいうブログがアクセス数を稼いでいる。2012年で地球は終わると断言しながら、自分の住む地域に疎開村を作って転居を呼びかけているのが胡散臭い。震度5の地震が起きれば次の大震災の予兆だと煽り、フクイチライブカメラに青白い光が走れば4号機の爆発だと騒ぎ、そのまま何も起きなければ古来からのスピリチュアルなネタに逃げて自分の信ぴょう性を宣伝する。ついでに言えば地震予知サイトも似たり寄ったりで、当たれば神、外れればコメントをシャットアウト。ヒステリッックになり過ぎて読者に不安を与えるばかりだ。

地震は減らず、ゲリラ豪雨が襲い、土砂崩れが起き、狂ったドライバーは大事故を起こす。どんなに備えていようが不幸は来るときは来るんだし、なぜか助かる人は助かっている。地球人は終わりに向かう宿命を持っているかもしれないが、確実に言えるのは誰一人として未来を見た者はいない。だから、あきらめるな、あきらめない。

昨年のスーパームーンには、生かされていることを感謝した。しかし今年のスーパームーンには図々しくお願いをした。それが何かはナイショだけれど、悲しみの涙を流すステージには二度と行かないよう、雲が去った5月の美しい月に手を合わせた。

20120505

追記:
祈りの内容とは別に奇跡が起こった。一か月以上苦しめられてきた身体の不調がすっ飛んだ。鼻も耳も喉も復活しました。皆さんもどうぞ、月に願いを。
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そろそろ電気を点けたくなる時間。ブルーグレーの空に満月が昇ってきた。

エクストラ・スーパームーン

3月20日の午前4時9分、今夜の月は地球に最も近いところを通過する。しかも1992年以来の最短距離になるそうで、エクストラ・スーパームーンと呼ばれている。地球上の磁界に影響が及び、次はアメリカ西海岸に大地震が起きると予測する地質学者もいるようだが、ネガティブな未来は飽き飽きした。今だからこそ美しい月はタイムリーな贈り物。同じ月を同じ時間に見ている人たちと、希望を共有したいと思った。

願い事を叶えるスーパームーンのパワーは次の新月まで続くらしい。何を願おうかと考えているところに、いつも私を心配してくれる友人からの電話が鳴った。
「ちょっとでいいから飲みに出ておいでよ。みんな待ってるよ」

久しぶりに訪ねた馴染みの店は、見慣れた顔たちが「よおっ!」とこっちを振り向く。「逗子は大丈夫だよ」と乾杯のグラスを掲げる。私に電話をくれた友人は、外見は泣く子も黙りそうな強面なのだが、照れくさそうに初めての秘密を教えてくれた。

彼は朝6時に起きたら、まずは神社に行って拝むのを習慣にしているという。
「今日もここに来られて、ありがとうございます。美味しいご飯を食べられて、ありがとうございます。友人たちが元気でいてくれて、ありがとうございます」と、思いつく限りの感謝をするのだそうだ。
「神様には願い事をするんじゃなく、感謝をするんだよ」
亡くなったお母さんの教えを守り、彼は毎朝欠かさず神社に通って感謝を続けている。

時計の針が明日に近づいた。談笑を終えて店を出ると、さっきまでの生ぬるい空気は去り、頭上には涼やかなスーパームーンが私を照らしている。なんて大らかで優しいんだろう。

家に戻ってニュースを見ると、原発に放水を行った東京消防庁ハイパーレスキュー隊の会見の様子が流れていた。声を詰まらせながら答える総隊長3人の目には、堪えきれない涙。命をかけて任務を遂行した隊員たちへ、生還を信じて送り出してくれた家族への「ありがとう」だ。

辛いことは山ほどあり、これからも山ほどあるだろうけど、少しずつ好転していく。その陰には誰かの犠牲と涙がある。月が地球にいちばん近づく午前4時9分が来たら、願いの代わりに感謝の「ありがとうございます」。もう他の言葉は要らない。

エクストラ・スーパームーン
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