草花・季節・旅
August 16, 2008
送り火は焚かないけれど
8月16日の今日は送り盆。といっても特別なことはしない。
祖父母のお墓は車で10分程度の距離なので、月に数度はお参りに行っているからだ。
家庭事情が複雑なためお位牌は寺院に預けているのだが、それより直接お墓を訪ねるに越したことはないと思っている。
従ってお盆期間は家族代々のアルバムを眺めたり、親戚縁者でなくても親しかった故人を偲んだり、家でのんびりと過ごすのが習慣だ。

一昨日、とてもお世話になった方が亡くなったと連絡を受けた。
去年の夏に癌が見つかって手術。その後経過は良好、自宅で静養中と聞いていたのがまさかの訃報である。
読み慣れた字で「今は小康を得てのんびり過ごしています。またお目にかかれる日を楽しみにしています」と葉書が届いたのは2ヶ月前。最近幸せ太りしてる私の写真を送り、そろそろ返事を頂けるかなあと心待ちにしてた矢先だった。
優しくしてくれた人、愛してくれた人・・、亡くなった人たちは何処へ行ったのだろうと想いをはせる。それに対しての意見は様々だ。
天国に行き、仏様にお仕えしているのだと言う人。
肉体は単なるかぶり物であって、魂は何度も生まれ変わっていくのだと言う人。
この空間からは去っても、同じ魂がパラレルワールドの中に存在していると言う人。
俗にいう「虫の知らせ」とは、現世から旅立って叡智を得た彼らからのメッセージなのかなと考える。何故なら親しかった人たちが亡くなるにつけ、地震や事故を予知したり、私に近づく人間の善悪が見えたり、不思議な力が高まっていくからだ。
大好きだった人がまた1人、向こう側に行ってしまった。
「ゆり子ちゃん、平気平気。死んでみたら大したことなかったのよ」と、気丈な彼女の声が聞こえてくる。きっと遠くはない場所にいるのだろう。
いつも守ってくれる誰かに、朝起きたら感謝、夜寝る前にも感謝。
今生きている生きていないに関わらず、私にとってお盆とは「ありがとう」を伝えたい人たちを、指折り数えて思い出す期間なのかもしれない。
祖父母のお墓は車で10分程度の距離なので、月に数度はお参りに行っているからだ。
家庭事情が複雑なためお位牌は寺院に預けているのだが、それより直接お墓を訪ねるに越したことはないと思っている。
従ってお盆期間は家族代々のアルバムを眺めたり、親戚縁者でなくても親しかった故人を偲んだり、家でのんびりと過ごすのが習慣だ。

一昨日、とてもお世話になった方が亡くなったと連絡を受けた。
去年の夏に癌が見つかって手術。その後経過は良好、自宅で静養中と聞いていたのがまさかの訃報である。
読み慣れた字で「今は小康を得てのんびり過ごしています。またお目にかかれる日を楽しみにしています」と葉書が届いたのは2ヶ月前。最近幸せ太りしてる私の写真を送り、そろそろ返事を頂けるかなあと心待ちにしてた矢先だった。
優しくしてくれた人、愛してくれた人・・、亡くなった人たちは何処へ行ったのだろうと想いをはせる。それに対しての意見は様々だ。
天国に行き、仏様にお仕えしているのだと言う人。
肉体は単なるかぶり物であって、魂は何度も生まれ変わっていくのだと言う人。
この空間からは去っても、同じ魂がパラレルワールドの中に存在していると言う人。
俗にいう「虫の知らせ」とは、現世から旅立って叡智を得た彼らからのメッセージなのかなと考える。何故なら親しかった人たちが亡くなるにつけ、地震や事故を予知したり、私に近づく人間の善悪が見えたり、不思議な力が高まっていくからだ。
大好きだった人がまた1人、向こう側に行ってしまった。
「ゆり子ちゃん、平気平気。死んでみたら大したことなかったのよ」と、気丈な彼女の声が聞こえてくる。きっと遠くはない場所にいるのだろう。
いつも守ってくれる誰かに、朝起きたら感謝、夜寝る前にも感謝。
今生きている生きていないに関わらず、私にとってお盆とは「ありがとう」を伝えたい人たちを、指折り数えて思い出す期間なのかもしれない。
August 07, 2008
頑張れ!ウミガメの赤ちゃん
5月に美味しい真竹の子を送ってくれた屋久島の友人から、またサプライジングなメールが届いた。本人の許可を得て、今回も本文を引用させて頂く。
「友達と夕日を見に浜に行った帰りに、偶然見つけた産まれたてのウミガメちゃん。
砂浜の穴の中で元気がない様子…
穴の外まで連れていってあげたら、元気にテクテク這って海に帰っていきました
凄いよね

まだ赤ちゃんなのに一人で海に帰って、生きていくんだもん


あったかい気持ちで帰りました
」
さっそく動画を再生すると、目をクリクリ、足をバタバタ。ウミガメの赤ちゃんって何て小さいんだろう!生まれたての命が活動し始める奇跡が伝わってくる。
そういえば去年の12月、屋久島を一周したときに永田いなか浜で「ウミガメ上陸日本一」という看板を見つけたっけ。さっそくベージュ色のビーチをキョロキョロ見渡したが、動くものの気配はなかった。
それもそのはず、アオウミガメの産卵のシーズンは5月上旬〜7月下旬、孵化のシーズンは7月下旬〜9月下旬なのだ。
「NPO法人 屋久島うみがめ館」のサイトを見てみると、緊急報告のページにある折れ線グラフが気にかかった。
浜での見学者数が多い年は、孵化した子ガメが巣から脱出できる確率が低いという。
その原因は、巣穴が大勢の人に踏まれてしまい、卵の中で子ガメが死んでしまうこと。せっかく孵化しても見学者が掘り返したことによって、子ガメが穴から這い登れなくなって死んでしまうことが考えられる。
1993年に世界遺産に登録された島だというのに、お土産にと屋久杉の皮を剥いで持っていく観光客しかり、ウミガメの命を脅かすツアー客しかりの情けないマナー。屋久島住民の半分は、これ以上観光地化が進むのを望んでいないというのが納得できる。
今日は何匹の子ガメが海に向かって行くのだろう。絶滅が危惧されようと本能は力強い。
どうか友人が助けた一匹が、無事大人になって産卵に戻って来られますように。
そのときにはもっと環境が守られたビーチになっていますように。
木々も動物も、大きくても小さくても、若くても老いても、命はみんな美しい。
「友達と夕日を見に浜に行った帰りに、偶然見つけた産まれたてのウミガメちゃん。
砂浜の穴の中で元気がない様子…
穴の外まで連れていってあげたら、元気にテクテク這って海に帰っていきました
凄いよね


まだ赤ちゃんなのに一人で海に帰って、生きていくんだもん


あったかい気持ちで帰りました

」さっそく動画を再生すると、目をクリクリ、足をバタバタ。ウミガメの赤ちゃんって何て小さいんだろう!生まれたての命が活動し始める奇跡が伝わってくる。
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そういえば去年の12月、屋久島を一周したときに永田いなか浜で「ウミガメ上陸日本一」という看板を見つけたっけ。さっそくベージュ色のビーチをキョロキョロ見渡したが、動くものの気配はなかった。
それもそのはず、アオウミガメの産卵のシーズンは5月上旬〜7月下旬、孵化のシーズンは7月下旬〜9月下旬なのだ。
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「NPO法人 屋久島うみがめ館」のサイトを見てみると、緊急報告のページにある折れ線グラフが気にかかった。
浜での見学者数が多い年は、孵化した子ガメが巣から脱出できる確率が低いという。
その原因は、巣穴が大勢の人に踏まれてしまい、卵の中で子ガメが死んでしまうこと。せっかく孵化しても見学者が掘り返したことによって、子ガメが穴から這い登れなくなって死んでしまうことが考えられる。
1993年に世界遺産に登録された島だというのに、お土産にと屋久杉の皮を剥いで持っていく観光客しかり、ウミガメの命を脅かすツアー客しかりの情けないマナー。屋久島住民の半分は、これ以上観光地化が進むのを望んでいないというのが納得できる。
今日は何匹の子ガメが海に向かって行くのだろう。絶滅が危惧されようと本能は力強い。
どうか友人が助けた一匹が、無事大人になって産卵に戻って来られますように。
そのときにはもっと環境が守られたビーチになっていますように。
木々も動物も、大きくても小さくても、若くても老いても、命はみんな美しい。
August 01, 2008
打ち上げ花火に涙した夜
湘南住まいの7月〜8月は、仕事をしている暇もないほど夏のイベントが目白押しだ。
何とか夕立を免れた7月30日は逗子海岸花火大会。
打ち上げ総数7000発のうち、わずか最後の10分間に5500発をまとめて放つという、日本最大級のクライマックスが売り物の花火大会である。
これに協賛しているのは株式会社コロワイドで、逗子は居酒屋「甘太郎」1号店が昭和52年に生まれた地。これまでは横浜の花火大会に出資していたのを、昨年から逗子に大奮発することとなったそうだ。
ハーフマイルビーチと呼ばれる狭い海岸に集る観客は10万人。
駅からは交通規制の敷かれた道を、浴衣姿のカップルやピクニックセットを下げた家族連れの行列が続く。
私たち飲み仲間も立ち飲み屋の「三遊亭」に集合した後、裏道を抜けて逗子海岸へ。敷物を広げる場所さえ無くなると聞いていたので、海の家の2階席を予約しておいた。

混雑状況を見降ろすと、まだ明るい19時頃は余裕で歩ける状況なのに、開始時刻の19時45分には足の踏み場もない。後ろの134号線を見れば歩道にも人がぎっしり。事故を危惧してビーチの入り口では入場制限がなされている。
市長の挨拶が終わるとファンファーレが鳴り、沖合いに停泊した船からシュルシュル!目の前に大輪の花がパッと開く。
みんなカメラに瞬間を収めようとするのだが、シャッターチャンスが極めて難しい。開いた瞬間では遅すぎて真っ暗な空しか写らないし、0.1秒ぐらいのジャストタイミングでないと鮮やかに収まらないのだ。それほど切ない美しさ。
そして待望のクライマックスは20時20分から。
ジャズ、ポップス、クラシック・・と音楽にシンクロして踊るように花火が連発。ファインダー越しに花火を見ていることが勿体なくなって、ただ口を開けて感動するのみだ。音楽がオペラのアリアに変わると、見上げるみんなの目にはウルウルと涙が浮かんでいる。
これまで何度打ち上げ花火を見ただろう。
子供のころ家の2階から家族で見た江の島の花火、デートで手を繋ぎながら見たディズニーランドの花火、ベイサイドマリーナからヨットを出して揺られながら見た横浜の花火。
懐かしい人、もう会えない人、今隣にいる人・・、生まれてから今まで何十回もの花火大会の情景が全て重なる。
白銀の世界に沸き起こる拍手で終了。
来年も誰一人欠けることなく見れたらいいね。
人波に揉まれる帰り道、はぐれないように仲間の背中を探しながら、私たちは心の中で絆を繋いだのは言うまでもない。
何とか夕立を免れた7月30日は逗子海岸花火大会。
打ち上げ総数7000発のうち、わずか最後の10分間に5500発をまとめて放つという、日本最大級のクライマックスが売り物の花火大会である。
これに協賛しているのは株式会社コロワイドで、逗子は居酒屋「甘太郎」1号店が昭和52年に生まれた地。これまでは横浜の花火大会に出資していたのを、昨年から逗子に大奮発することとなったそうだ。
ハーフマイルビーチと呼ばれる狭い海岸に集る観客は10万人。
駅からは交通規制の敷かれた道を、浴衣姿のカップルやピクニックセットを下げた家族連れの行列が続く。
私たち飲み仲間も立ち飲み屋の「三遊亭」に集合した後、裏道を抜けて逗子海岸へ。敷物を広げる場所さえ無くなると聞いていたので、海の家の2階席を予約しておいた。

混雑状況を見降ろすと、まだ明るい19時頃は余裕で歩ける状況なのに、開始時刻の19時45分には足の踏み場もない。後ろの134号線を見れば歩道にも人がぎっしり。事故を危惧してビーチの入り口では入場制限がなされている。
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市長の挨拶が終わるとファンファーレが鳴り、沖合いに停泊した船からシュルシュル!目の前に大輪の花がパッと開く。
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みんなカメラに瞬間を収めようとするのだが、シャッターチャンスが極めて難しい。開いた瞬間では遅すぎて真っ暗な空しか写らないし、0.1秒ぐらいのジャストタイミングでないと鮮やかに収まらないのだ。それほど切ない美しさ。
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そして待望のクライマックスは20時20分から。
ジャズ、ポップス、クラシック・・と音楽にシンクロして踊るように花火が連発。ファインダー越しに花火を見ていることが勿体なくなって、ただ口を開けて感動するのみだ。音楽がオペラのアリアに変わると、見上げるみんなの目にはウルウルと涙が浮かんでいる。
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これまで何度打ち上げ花火を見ただろう。
子供のころ家の2階から家族で見た江の島の花火、デートで手を繋ぎながら見たディズニーランドの花火、ベイサイドマリーナからヨットを出して揺られながら見た横浜の花火。
懐かしい人、もう会えない人、今隣にいる人・・、生まれてから今まで何十回もの花火大会の情景が全て重なる。
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白銀の世界に沸き起こる拍手で終了。
来年も誰一人欠けることなく見れたらいいね。
人波に揉まれる帰り道、はぐれないように仲間の背中を探しながら、私たちは心の中で絆を繋いだのは言うまでもない。
July 18, 2008
男前たちに出会った日
オレンジ色のノウゼンカズラが満開になり、温度計が30度を越える7月。
普段は目立たない男たちが惚れ惚れするぐらい男前になる時がある。年に一度やってくる夏祭りのシーズンだ。
スーツやユニフォームを脱いで着替えるのは、半纏、たぼシャツ、股引、草履の出で立ち。神輿を担いで飛び散る汗は、上昇したアドレナリンの匂いだ。
先週の土曜日から始まった我が家の近くにある氏神様、小坪須賀神社の祭礼。
回ってくる山車のトンツクトンツクという太鼓の音に誘われて、本祭りを見に行った。
小坪漁港前の広場では子供たちが金魚すくいに興じ、提灯を下げた山車がスタンバイしている。そんなファミリーサイドに対して、男衆は神輿の周りへ。担ぎ棒の下に肩を入れて精神を集中する。
「どっこい担ぎ」と言われる湘南の担ぎ方は、甚句が入った後に「そ〜りゃ! そ〜りゃ!」の掛け声で全員が大きくジャンプ。ゆっさゆっさと揺れる神輿は、神の霊を揺り動かす激しさだ。
そして今週水曜日は逗子駅近くにある亀岡八幡宮の本祭り。
のどかな商店街は人・人・人の歩行者天国になって、各商店の前にはビールや焼き鳥などを売る元気な掛け声が飛び交っている。
飲み仲間である某スーパーの店長が祭りの会長ということもあり、夕方から歩道にしゃがんで待ち構えた。
ワーッと沸き起こる歓声の向こうからは、丸一日かけて街中を回ってきた神輿の灯。担ぎ手はもちろんのこと、続く山車に乗った子供たちもヒーローに見える。
東京の大きな祭りに比べたら、湘南のささやかな手作りの祭りだけれど、知っている顔たちがそこかしこに見つかることの嬉しさはこの上ない。
逗子に住んで良かった!ブログはサボったものの、熱気の中で暮らした貴重な数日間だった。
普段は目立たない男たちが惚れ惚れするぐらい男前になる時がある。年に一度やってくる夏祭りのシーズンだ。
スーツやユニフォームを脱いで着替えるのは、半纏、たぼシャツ、股引、草履の出で立ち。神輿を担いで飛び散る汗は、上昇したアドレナリンの匂いだ。
先週の土曜日から始まった我が家の近くにある氏神様、小坪須賀神社の祭礼。
回ってくる山車のトンツクトンツクという太鼓の音に誘われて、本祭りを見に行った。
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小坪漁港前の広場では子供たちが金魚すくいに興じ、提灯を下げた山車がスタンバイしている。そんなファミリーサイドに対して、男衆は神輿の周りへ。担ぎ棒の下に肩を入れて精神を集中する。
「どっこい担ぎ」と言われる湘南の担ぎ方は、甚句が入った後に「そ〜りゃ! そ〜りゃ!」の掛け声で全員が大きくジャンプ。ゆっさゆっさと揺れる神輿は、神の霊を揺り動かす激しさだ。
そして今週水曜日は逗子駅近くにある亀岡八幡宮の本祭り。
のどかな商店街は人・人・人の歩行者天国になって、各商店の前にはビールや焼き鳥などを売る元気な掛け声が飛び交っている。
飲み仲間である某スーパーの店長が祭りの会長ということもあり、夕方から歩道にしゃがんで待ち構えた。
ワーッと沸き起こる歓声の向こうからは、丸一日かけて街中を回ってきた神輿の灯。担ぎ手はもちろんのこと、続く山車に乗った子供たちもヒーローに見える。
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東京の大きな祭りに比べたら、湘南のささやかな手作りの祭りだけれど、知っている顔たちがそこかしこに見つかることの嬉しさはこの上ない。
逗子に住んで良かった!ブログはサボったものの、熱気の中で暮らした貴重な数日間だった。
June 30, 2008
花を折られたアガパンサス
梅雨の季節に咲く花は、紫陽花だけでなくアガパンサスも代表選手だ。
ひょろひょろと伸びた茎に、怪しげな蕾がぷっくりと膨らみ、やがて破裂したかのようにラッパ状の花が放射状に咲く。和名では紫君子蘭(ムラサキクンシラン)。時おり白い花も見かけるけれど、目を惹きつけるのは青紫の花々だ。
自宅を出てエレベーターに乗らずに、時間はかかってもアガパンサスに彩られた道を歩く。
恋人と手を繋いでならどんなにロマンティックだろうと、心は赤毛のアンになる。
ところが先日、ポストに入った管理人組合からの通達には胸が痛んだ。
「過日、ロータリー通り植込み内のアガパンサスの可憐な花や蕾の10数本が、何者かにより切り取られてしまいました。周辺にお住まいの方々は、アガパンサスの花盛りを楽しみにしておりましたのに非常に残念に思っています。
自然の花の美しさ、清楚さが見る人々の心を癒してくれるのに、心もとない人によってこのようなことが起きたことは大変心苦しく悲しい出来事だと思います。」
管理費は嵩むけれど、このマンションの特長は毎日のように植木屋さんが入って樹木や花々の手入れをしていること。管理人さんも日に何度も敷地内を巡回し、人と緑を守っている心地良い空間なのだ。
今年に入ってから、花を荒らす人たちのニュースが度々流れる。
スーツ姿の男が傘でチューリップをなぎ倒す映像が公開されたり、何を思って美しいものを破壊するのだろうかと、その荒れた心が悲しくなる。
ニュースを見た誰かが行為を真似て、また被害が伝染していくのも悲しい。
世界遺産の大聖堂に落書きした岐阜の女子短大生しかり、京都産業大の男子も常磐大高校の野球部監督も・・と報道が拡大していくにつれて過去から現在形へ。他の世界遺産に模倣犯が出てこないだろうかと心配になる。
だからと言って罰則を厳しくしても付け焼刃。
正すべきは器物破損の行為以前に、マナーを知らない心を生んでいく社会ではないだろうか。「花盗人」を超えて「花折り人」が含み笑いする世相は歪みきっている。
ひょろひょろと伸びた茎に、怪しげな蕾がぷっくりと膨らみ、やがて破裂したかのようにラッパ状の花が放射状に咲く。和名では紫君子蘭(ムラサキクンシラン)。時おり白い花も見かけるけれど、目を惹きつけるのは青紫の花々だ。
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自宅を出てエレベーターに乗らずに、時間はかかってもアガパンサスに彩られた道を歩く。
恋人と手を繋いでならどんなにロマンティックだろうと、心は赤毛のアンになる。
ところが先日、ポストに入った管理人組合からの通達には胸が痛んだ。
「過日、ロータリー通り植込み内のアガパンサスの可憐な花や蕾の10数本が、何者かにより切り取られてしまいました。周辺にお住まいの方々は、アガパンサスの花盛りを楽しみにしておりましたのに非常に残念に思っています。
自然の花の美しさ、清楚さが見る人々の心を癒してくれるのに、心もとない人によってこのようなことが起きたことは大変心苦しく悲しい出来事だと思います。」
管理費は嵩むけれど、このマンションの特長は毎日のように植木屋さんが入って樹木や花々の手入れをしていること。管理人さんも日に何度も敷地内を巡回し、人と緑を守っている心地良い空間なのだ。
今年に入ってから、花を荒らす人たちのニュースが度々流れる。
スーツ姿の男が傘でチューリップをなぎ倒す映像が公開されたり、何を思って美しいものを破壊するのだろうかと、その荒れた心が悲しくなる。
ニュースを見た誰かが行為を真似て、また被害が伝染していくのも悲しい。
世界遺産の大聖堂に落書きした岐阜の女子短大生しかり、京都産業大の男子も常磐大高校の野球部監督も・・と報道が拡大していくにつれて過去から現在形へ。他の世界遺産に模倣犯が出てこないだろうかと心配になる。
だからと言って罰則を厳しくしても付け焼刃。
正すべきは器物破損の行為以前に、マナーを知らない心を生んでいく社会ではないだろうか。「花盗人」を超えて「花折り人」が含み笑いする世相は歪みきっている。
June 05, 2008
枯山水庭園のパフォーマー
肌寒に戻るこの季節になると、小学生のとき初めて詠んだ俳句を思い出す。
「紫陽花の梅雨をふくみし重さかな」
そろそろ咲いているかな?
北鎌倉駅から歩いて10分。「あじさい寺」で有名な明月院は、平日で閉門時刻が近いせいか意外と空いていた。これが土日だったら駅まで行列が出来ているだろう。
山門へと上る鎌倉石の参道は、両側に姫あじさいの生垣。
大ぶりで鮮やかな色彩の西洋あじさいに比べると、小ぶりで清楚な日本古来種だ。
「淡い青から日ごとに青を増して 最後は母なる色 空の青 海の青に染まり最後は大地に還ります」と、説明書きが添えられている。

手毬のような水色に、カメラを向け始めるともう夢中。
どれも同じ種類のはずなのに、ひとつひとつの表情が違うのだ。
本堂のお座敷にある丸い窓も有名な撮影スポットだが、今日はそれを凌ぐものを発見。
向かい側にある枯山水庭園の一角に、みんなが携帯のカメラを向けていた。
どこから入り込んだのやら、黒白ブチのノラ猫が悠々と毛づくろいしているのだ。しかも股をおっ広げて・・・「あんなとこ舐めてるよ!」の一声に、どっと笑いが沸き起こる。
猫の1人舞台はまだ終わらない。
熊手で丁寧に引かれた砂紋の上で、背中が痒いのかゴロンゴロン。
梅の花みたいな足跡をペタンペタンと付けていく。
枯山水のパフォーマーと言うべきか、アーティストと言うべきか。
最後は岩によじ上って見返り美人のポーズ。プイと気品高く去っていくのであった。

「紫陽花の梅雨をふくみし重さかな」
そろそろ咲いているかな?
北鎌倉駅から歩いて10分。「あじさい寺」で有名な明月院は、平日で閉門時刻が近いせいか意外と空いていた。これが土日だったら駅まで行列が出来ているだろう。
山門へと上る鎌倉石の参道は、両側に姫あじさいの生垣。
大ぶりで鮮やかな色彩の西洋あじさいに比べると、小ぶりで清楚な日本古来種だ。
「淡い青から日ごとに青を増して 最後は母なる色 空の青 海の青に染まり最後は大地に還ります」と、説明書きが添えられている。

手毬のような水色に、カメラを向け始めるともう夢中。
どれも同じ種類のはずなのに、ひとつひとつの表情が違うのだ。
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本堂のお座敷にある丸い窓も有名な撮影スポットだが、今日はそれを凌ぐものを発見。
向かい側にある枯山水庭園の一角に、みんなが携帯のカメラを向けていた。
どこから入り込んだのやら、黒白ブチのノラ猫が悠々と毛づくろいしているのだ。しかも股をおっ広げて・・・「あんなとこ舐めてるよ!」の一声に、どっと笑いが沸き起こる。
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猫の1人舞台はまだ終わらない。
熊手で丁寧に引かれた砂紋の上で、背中が痒いのかゴロンゴロン。
梅の花みたいな足跡をペタンペタンと付けていく。
枯山水のパフォーマーと言うべきか、アーティストと言うべきか。
最後は岩によじ上って見返り美人のポーズ。プイと気品高く去っていくのであった。

May 23, 2008
空から卵が降ってきた
私の日課はテラスでマンデリンを飲みながら、緑の木々を見ることから始まる。
空にはトンビがくるくると弧を描き、鳴き方が上達してきたウグイスがホーホケキョ。
風に乗って漂ってくるラベンダーの香りに、深くゆっくりと息を吸う。
いつもの朝、いつもの風景、そこにポトッ。
空から何かが落ちてきて、目の前の白い手すりに乗っかった。
見れば卵の殻なのだが、当然ニワトリでもウズラでもなく、ギザギザの割れ方をしている。
なんとアクロバティックな着地だろう。でもどうして空から卵が降ってくるわけ?
そうか、犯人はツバメだ!
我が家の近くに巣があるらしく、近ごろツバメが頻繁に行き来しているのだ。時には私の頭上を猛スピードでかすめ飛んでいくこともあり、こっちが「キャッ!」と声をあげれば、向こうも「ピピピッ!」とけたたましい。
きっとヒナが誕生して、元気すぎて卵の殻を蹴散らしたのだろう。
巣立ちまで3週間。これからは賑やかな口ばしたちに餌を運ぶのに、ツバメの両親はますます忙しくなる。
でもどうかお願い。
くわえた昆虫を上からポロリと落とさないでね。毛虫だったら気絶する〜・・
私の車の上に気前よく糞を落とさないでね。屋根が白い水玉模様かも〜・・
今のヒナたちが飛び立って更にもう1回、2番子が巣立てば、暑い夏がやってくる。
発着陸が忙しい季節の使者は、あわてんぼの超小型ジェット機だ。
空にはトンビがくるくると弧を描き、鳴き方が上達してきたウグイスがホーホケキョ。
風に乗って漂ってくるラベンダーの香りに、深くゆっくりと息を吸う。
いつもの朝、いつもの風景、そこにポトッ。
空から何かが落ちてきて、目の前の白い手すりに乗っかった。
見れば卵の殻なのだが、当然ニワトリでもウズラでもなく、ギザギザの割れ方をしている。
なんとアクロバティックな着地だろう。でもどうして空から卵が降ってくるわけ?
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そうか、犯人はツバメだ!
我が家の近くに巣があるらしく、近ごろツバメが頻繁に行き来しているのだ。時には私の頭上を猛スピードでかすめ飛んでいくこともあり、こっちが「キャッ!」と声をあげれば、向こうも「ピピピッ!」とけたたましい。
きっとヒナが誕生して、元気すぎて卵の殻を蹴散らしたのだろう。
巣立ちまで3週間。これからは賑やかな口ばしたちに餌を運ぶのに、ツバメの両親はますます忙しくなる。
でもどうかお願い。
くわえた昆虫を上からポロリと落とさないでね。毛虫だったら気絶する〜・・
私の車の上に気前よく糞を落とさないでね。屋根が白い水玉模様かも〜・・
今のヒナたちが飛び立って更にもう1回、2番子が巣立てば、暑い夏がやってくる。
発着陸が忙しい季節の使者は、あわてんぼの超小型ジェット機だ。
May 22, 2008
アフター5の小さな旅
オフィスワーカーが家路を想う時刻、ちょっと早めに小田急新宿駅に急ぐ。
思いつきのメインイベントは、ロマンスカー「はこね41号」の先頭車両に乗ること。
シルキーホワイトのボディ、50000形VSEの特急がホームに入ってくると、鉄道マニアの少年みたいに心が弾みだす。

17時10分発・箱根湯本行。
梯子で2階席に上っていった運転士のアナウンスが終われば、ピンポンンパンポーンとおなじみの警笛(ミュージックホーン)を鳴らして出発だ。
最初の停車駅・町田で通勤客はほとんど降りていき、ビールやワインで上機嫌な観光客たちは前方の席に移動を始める。
正面の窓には2本の線路。右側の窓には丹沢の山々と富士山のシルエット。そして左側を見れば台風一過、龍の形をした雲が悠々と併走していく。
勾配がきつくなる小田原からはスピードを落として、18時38分箱根湯本に到着。
同じホームで待っている箱根登山電車に乗り換えれば、今日の目的地の塔ノ沢まで一駅だ。旅行気分がますます盛り上がる。
最終受付に間に合った日帰り温泉「ひめしゃらの湯」は午後8時までの営業。貸しきり状態の露天風呂でのんびりする時間は充分だ。
ハイヒールにアルマーニのスーツ姿から、夜間割引の入湯料600円とタオル代300円で地元の湯治客に変身する。
岩風呂にチャポーンと浸かり、森林の香りを胸いっぱいに吸い込むと「あー、日本人で良かった!」。投げ出した足から疲れが引き、火照った頬にひんやりとした夜の風が心地良い。
帰りは小田原から東海道線に乗って、缶ビールと蒲鉾かな。
日常を抜け出した5時間の小さな旅は、心の荷物を降ろす大きな贅沢である。
思いつきのメインイベントは、ロマンスカー「はこね41号」の先頭車両に乗ること。
シルキーホワイトのボディ、50000形VSEの特急がホームに入ってくると、鉄道マニアの少年みたいに心が弾みだす。

17時10分発・箱根湯本行。
梯子で2階席に上っていった運転士のアナウンスが終われば、ピンポンンパンポーンとおなじみの警笛(ミュージックホーン)を鳴らして出発だ。
最初の停車駅・町田で通勤客はほとんど降りていき、ビールやワインで上機嫌な観光客たちは前方の席に移動を始める。
正面の窓には2本の線路。右側の窓には丹沢の山々と富士山のシルエット。そして左側を見れば台風一過、龍の形をした雲が悠々と併走していく。
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勾配がきつくなる小田原からはスピードを落として、18時38分箱根湯本に到着。
同じホームで待っている箱根登山電車に乗り換えれば、今日の目的地の塔ノ沢まで一駅だ。旅行気分がますます盛り上がる。
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最終受付に間に合った日帰り温泉「ひめしゃらの湯」は午後8時までの営業。貸しきり状態の露天風呂でのんびりする時間は充分だ。
ハイヒールにアルマーニのスーツ姿から、夜間割引の入湯料600円とタオル代300円で地元の湯治客に変身する。
岩風呂にチャポーンと浸かり、森林の香りを胸いっぱいに吸い込むと「あー、日本人で良かった!」。投げ出した足から疲れが引き、火照った頬にひんやりとした夜の風が心地良い。
帰りは小田原から東海道線に乗って、缶ビールと蒲鉾かな。
日常を抜け出した5時間の小さな旅は、心の荷物を降ろす大きな贅沢である。
May 18, 2008
屋久島からのサプライズ
「今、屋久島ではまっているもの・・それは
竹の子採り!!
ニョキニョキ。母の日ってことで?ゆりさん達にも食べてもらいたいなァ〜
と思ったから、採りたて、ホカホカの竹の子君たち(まだけ)を送りまぁす!!」
今朝の宅配便で届いた段ボール箱を空けると、何十本もの竹の子(真竹の子)と共に、絵文字いっぱいの手紙。屋久島の友人から届いた嬉しいサプライズだ。
屋久島では豪快に2シーター(軽トラック)をかっ飛ばす彼女は、いつもニコニコ
、ハートの綺麗な天然ガールである。
私を母と思ってくれてるのかと苦笑いしながら、日曜日の用事が出来たことを喜ぶ。

さてどうやって食べようか?
アルミホイルで包んでオーブンで焼いてもいいけれど、ここはもう1人ハートの綺麗な友人にお願いすることにした。
ご近所の石釜焼きピザ屋「自遊人処」のオーナーSくんに、試し焼きして貰うことにした。
以前とうもろこしを焼いた経験からと、お皿の上にそのまま竹の子を乗せて石釜の奥深くに入れる。
お喋りをしているうちに、皮が真っ黒に焦げて焼き上がり。
アチアチと言いながら釜の横で皮を剥いていくと、ジューシーな白い中身が現れる。
ちょっとお醤油を付けて、さっそく裏方で試食。「おいしい!」と一同に顔を見合わせた。
400度の高温で焼いただけあり、えぐみが飛んで舌触りもなめらかだ。
他のお客様にも食べていただくと、幸せの香りがどんどん広がっていく。
冷たい生ビールをを注いだテラス席は、我が家のようなゆったりとした午後。
きな臭いビジネスの用件を携帯電話で済ませているうちに、こちらの安堵感が伝わっていくのか、向こうの声も朗らかになる。
周りではいつの間にかお客同士の会話が始まり、スパークリングワインを追加。
「こっちはポカポカ陽気で常に眠い・・・Zzz」と書かれていた屋久島からの手紙が伝染したのか、私もほんわかと眠くなる。
ありがとう。屋久島の竹の子は逗子の親善大使になったよ!
帰り道、軽くなった手提げ籠には幸せの空気がいっぱいに詰まっていた。

竹の子採り!!
ニョキニョキ。母の日ってことで?ゆりさん達にも食べてもらいたいなァ〜
と思ったから、採りたて、ホカホカの竹の子君たち(まだけ)を送りまぁす!!」今朝の宅配便で届いた段ボール箱を空けると、何十本もの竹の子(真竹の子)と共に、絵文字いっぱいの手紙。屋久島の友人から届いた嬉しいサプライズだ。
屋久島では豪快に2シーター(軽トラック)をかっ飛ばす彼女は、いつもニコニコ
、ハートの綺麗な天然ガールである。私を母と思ってくれてるのかと苦笑いしながら、日曜日の用事が出来たことを喜ぶ。

さてどうやって食べようか?
アルミホイルで包んでオーブンで焼いてもいいけれど、ここはもう1人ハートの綺麗な友人にお願いすることにした。
ご近所の石釜焼きピザ屋「自遊人処」のオーナーSくんに、試し焼きして貰うことにした。
以前とうもろこしを焼いた経験からと、お皿の上にそのまま竹の子を乗せて石釜の奥深くに入れる。
お喋りをしているうちに、皮が真っ黒に焦げて焼き上がり。
アチアチと言いながら釜の横で皮を剥いていくと、ジューシーな白い中身が現れる。
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ちょっとお醤油を付けて、さっそく裏方で試食。「おいしい!」と一同に顔を見合わせた。
400度の高温で焼いただけあり、えぐみが飛んで舌触りもなめらかだ。
他のお客様にも食べていただくと、幸せの香りがどんどん広がっていく。
冷たい生ビールをを注いだテラス席は、我が家のようなゆったりとした午後。
きな臭いビジネスの用件を携帯電話で済ませているうちに、こちらの安堵感が伝わっていくのか、向こうの声も朗らかになる。
周りではいつの間にかお客同士の会話が始まり、スパークリングワインを追加。
「こっちはポカポカ陽気で常に眠い・・・Zzz」と書かれていた屋久島からの手紙が伝染したのか、私もほんわかと眠くなる。
ありがとう。屋久島の竹の子は逗子の親善大使になったよ!
帰り道、軽くなった手提げ籠には幸せの空気がいっぱいに詰まっていた。
May 08, 2008
愛しのケムンパス
たいていの動物は好きだけれど、生理的にダメなのは長くてクネクネした生き物だ。
蛇、ミミズ、ゲジゲジ、ムカデは当然のこと、釣り餌のイソメもトイレ掃除に使うようなビニール手袋なくしては摘めない。
プランターの花を並べた窓辺。リビングの床を拭いていたら、とんでもないものを発見した。ヒェーッ!!!と叫び声をあげて後ろに飛びのく。
「ケムンパスでやんす」
黒いボディにピンピンと長い毛の生えた虫が、身体をくねらせながら移動しているのだ。

ティッシュで摘もうか。ダメ、絶対に触れない。
BBQで使う団扇でパタパタしてみた。ダメ、暴風に耐えて床にへばり付いている。
ちりとりを近づけて、おいでおいでしてみる。ダメ、回れ右してほふく前進してる。
ホウキでちりとりに乗せてしまおう。ダメ、ホウキの毛にもぐって離れない。
落とされまいと必死にしがみ付いている彼をしげしげ眺めた。
小さな赤い目が2つ、「殺さないで」と哀願してるように見える。
このまま飼っていたら可憐な蝶々になるのかな。それとも毒々しい蛾になるのかな。
テラスに届いた樹木の葉にホウキを擦り付け、そうっと彼を移動させた。
幼虫が蛹になって羽化するまで、命を全うしてね。飛び立ったら挨拶しにきてね。
ちょっとだけ可愛く思えたケムンパスに、一度きりの夏が近づいてくる。
蛇、ミミズ、ゲジゲジ、ムカデは当然のこと、釣り餌のイソメもトイレ掃除に使うようなビニール手袋なくしては摘めない。
プランターの花を並べた窓辺。リビングの床を拭いていたら、とんでもないものを発見した。ヒェーッ!!!と叫び声をあげて後ろに飛びのく。
「ケムンパスでやんす」
黒いボディにピンピンと長い毛の生えた虫が、身体をくねらせながら移動しているのだ。

ティッシュで摘もうか。ダメ、絶対に触れない。
BBQで使う団扇でパタパタしてみた。ダメ、暴風に耐えて床にへばり付いている。
ちりとりを近づけて、おいでおいでしてみる。ダメ、回れ右してほふく前進してる。
ホウキでちりとりに乗せてしまおう。ダメ、ホウキの毛にもぐって離れない。
落とされまいと必死にしがみ付いている彼をしげしげ眺めた。
小さな赤い目が2つ、「殺さないで」と哀願してるように見える。
このまま飼っていたら可憐な蝶々になるのかな。それとも毒々しい蛾になるのかな。
テラスに届いた樹木の葉にホウキを擦り付け、そうっと彼を移動させた。
幼虫が蛹になって羽化するまで、命を全うしてね。飛び立ったら挨拶しにきてね。
ちょっとだけ可愛く思えたケムンパスに、一度きりの夏が近づいてくる。









































