赤い花に惹かれる夏の散歩

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今日は私用で横浜へ。バスには乗らず早めに家を出て、逗子駅まで歩いた。約25分の道すがら、植物を見て歩くのが楽しいからだ。

まず出会ったのがデイゴの花。BOOMの『島唄』の歌詞「でいごの花が咲き 風を呼び 嵐がきた」で有名になった花だが、見事に咲いた年は天災に見舞われるという言い伝えがあるらしい。『島唄』では1945年の沖縄戦で、戦闘機が嵐のようにやってきたと歌われている。

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次に目についたのはケイトウ。ギリシャ語では燃焼(argenta)という学名が付いている。子どものころ遊びに行った新居浜の祖母の家には、四国のギラギラした日差しが降り注ぐ庭に、炎みたいに真っ赤なケイトウが沢山咲いていた。他にもダリアとサルビアと、なぜか赤い花ばかりが記憶に残っている。

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日向を避けて川沿いの遊歩道に入ると、緑蔭。覆い被さるように広がった木々の枝が風に揺れると、足下の光と陰も揺れる。民家の窓に下がった葦簾ごしに、赤ちゃんの鳴き声が聞こえてきた。そうっと通り過ぎて、また次の緑蔭へ。

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夕方になると開き出すのが、オシロイバナ。コロコロした黒い種を潰すと白い粉がこぼれて、和名は「夕化粧」だ。小学校の帰りに道草しては、集めた種でポケットをパンパンにしたものである。口紅にしたらさぞ綺麗だろうと思う赤い花は、ほんのり蜜の匂い。

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花を見つけては写真を撮って感傷に浸り、猫を見つけては頭を撫でて遊び、幾つになっても道草の癖は治らない。今日の用事はキャンセルして、立呑屋にでも寄ろうかな。

大人の道草は赤提灯。やっぱり赤いものに惹かれるんだなと、こっそり独り笑いした。

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