ビジネスに新しいアイデアが浮かんで、さっそく始めてみると楽しくて仕方がない。大きな仕事の締め切りが迫っているけれど、平身低頭お願いしなくても1週間延ばせることになった。「お渡しする資料の提出が遅れて済みません」と、クライアントから謝辞を受けるとは前代未聞。天が味方してくれたに違いないと、能天気な解釈をしている。

もちろん好機ばかり巡ってくるのではなく、煩わしいアクシデントは起きるし、嫌がらせを仕掛けてくる輩もいる。でもそんなこと、新しい目的地へ向かっている私にとっては、ただの道路渋滞でしかない。いちいち憂慮せず、無視して迂回すれば済むだけだ。ちょっと遠回りの時間は喰ったけど、不愉快な思いを抱えて現状に居続けなくて良かったと、視界が開けたことが嬉しい。

なぜか私は秋から冬にかけて運勢全般が低下し、12月の誕生日ごろは最悪になる。信じていた人に裏切られ、心身は不調をきたし、か細く息をしながら働くだけの暗黒の期間だ。今回のブラックホールは巨大だと知って、抜け出すために「断酒」という人生初の試みをしたところ、(本当に本当に苦しかったけれど)出口には新天地の青空が広がっていた。

例えるなら目の大きなザルに自分を放り込み、ふるいに掛けた感じ。心に刺さっていた棘がパラパラと落ちて、要らない人間関係までザルの外に落ちていった。こちら側にくっ付いて残った人たちは、いま二分化に向かっている世界の中で、同じ気付きを得た人たちだと思っている。ひょんな偶然で縁が戻ってきた人たちもいる。

おそらく人間関係とは良くも悪くも、自分が作り出したフィクションだったんだろう。登場人物たちをどう動かすかに気を取られて、主人公の本人を魅力的に描けていなかったんだ。

そんなことを考えていたら、ユーミンの「チャイニーズ・スープ」の歌詞を思い出した。
「みんなこぼれて 鍋の底 煮込んでしまえば 形もなくなる もうすぐ出来上がり」
美味な人生の料理を作るために、鍋に放り込んだ種々雑多の悩み事たち。デトックス・スープができたら真っ白な器に注ぎ、ぜ〜んぶお腹に入れて、無かったことに致しましょう。

デトックススープ