なんとなくお正月が過ぎました

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逗子に居を構えて7年。ダウンを着ていても凍えるような寒さの中、初めて氏神様である亀岡八幡宮の参拝の列に並んだ。喪中のため寿ぎのご挨拶はできないが、「いつもお守りくださり、ありがとうございました」、「介護施設にいる父がずっと健康でいられますように」、「空に旅立った継母が安らかでいられますように」のお願いをした。

空に向かってホラ貝を吹いているのは立飲ワイン屋でよくご一緒するセンセイであり、神殿に手を合わせた後は一人一人にお神酒とお守りが振る舞われ、実にアットホームな初詣である。みんな二人ずつまっすぐに並び、境内で騒ぐこともなく静かに立ち去る。

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そう言えばと思い出したのは、藤沢市片瀬に住んでいたころ必ず家族で行った江島神社の初詣。げんを担いで陸側に車を停め、江ノ島まで凍える海風が吹き荒れる橋を背中を丸めて渡った。買ってきた破魔矢を居間の鴨居にさして、家族でパンパン!と手を叩くと一年の幸せが約束されたように思えて心が温まったものである。

それから七里ガ浜へ引っ越した大晦日、せっかくだから鶴岡八幡宮へ初詣に行こうという話になった。紅白歌合戦が終わり、ゆく年くる年の除夜の鐘を聞いたらすぐに坂道を下って、家族全員で鎌倉高校前のホームで江ノ電を待った。

ところが到着した車両は窓に顔が引っ付くほどの大混雑。なんとか乗り込んで鎌倉駅につけば、若宮大路は明治神宮なみの規制がはられており、10歩進めば警察官のピーッという笛の音と共にロープで止められる。誰かの頭に当たったであろうお賽銭を投げ、せっかくだからとおみくじを買ったところ、父は「大凶」が当たってしまった。これはいけないと引き直しをするため鎌倉宮(大塔宮)まで歩いたが、開いてみれば何の因果か「凶」。それ以降わが家では初詣に行った記憶がない。

そして2015年。恒例の年始パーティーもせずに過ごした三が日の夜、鎌倉はどんな様子だろうかと小町通りに入ってみた。歩いてくるのは若い人たちばかりで、キャーキャーと騒ぐ声が響き渡って破魔矢のチリチリという鈴の音は聞こえない。上っていく私は端を歩いていても道を阻まれ、ジグザグに横切ってやっと馴染みのバーに入り一息ついた。

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その夜は結局行けずじまいだった鶴岡八幡宮。鎌倉駅から小坪回りのバスに乗り、混雑を避けるコースで自宅に戻った。毎年元旦にアップしているHappy ニャーYearも今年はお休み。でも継母が亡くなる前に注文して、与六に着せた羊のコスプレ衣装はアップしなくちゃね。顔は怒ってるけど魔除けの羊ということで。

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どんな一年になるやら、氏神様に感謝を告げに行ってからまだ数日だけど、何だか小さな幸せが起きている。今年のテーマは長年のしがらみから離れるための断捨離。7日からわが家に及んでくるマンションの長期修繕に向けて、たくさんたくさんゴミを出したお正月休みであった。

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