論文不正疑惑に思うコピペの可否

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三寒四温で春はそこまで来ているのに、浮いた話の一つもない私は桃色吐息どころか青息吐息。・・って、ダジャレてる場合か(–;) 今もやっとノルマの原稿を1本書き上げて、ボサボサ頭でヌボーッと頬杖をついている。心境は達成感というよりも、何てコストパフォーマンスの悪い因果な職業に就いてしまったんだろうと茫然自失状態。それでも泣こうがわめこうが待ったなしの締め切りに向かい、明日も99%同じことをしているだろう。

 

遅い夕食と共にニュースショーを見ていたら、小保方晴子さんの論文不正疑惑に対する特集をやっていた。本人は精神が憔悴し切って今は研究所にも出勤していないらしいが、STAP細胞で一躍有名人になった時の華々しい映像を見ていると、可愛さ余って悪さ百倍の集中攻撃に晒されているのかなと、マスコミの最も嫌な部分を感じ取る。フリップを剥がしながら「これは他の論文のコピペです」「これは過去の画像の転用です」「これは画像の切り貼りです」と得意気に説明する女子アナの勝ち誇った表情は見るに耐えなかった。この状況はいきなり屋根裏部屋に追い立てられた小公女セーラみたいで、マスコミが拍車をかけた世論の圧力は本人の見解を待たずに真実を捏造しているように見える。

 

むしろ納得がいかないのは、これまで一般人に説明されてこなかった論文のシステム。私は学者ではないので論文の書き方についてのセオリーは分からないが、小保方さんが疑われている他の論文からのコピペはどんな基準で可否が決められるのだろうか。出典を明らかにすれば論理の根拠を補足する引用と見なされてお咎め無しなのか、頭を掻きむしって無から有を作り出すしかない物書きには理解しがたい世界である。

 

博士号を持つ男性とずっと前に付き合ったことがあるが、鼻高々に見せてくれた論文は明らかにネットからのコピペと思える文章が目立つ。しかし周りに「先生」と呼ばれるお殿様のような姿からして、この類の人たちはコピペが悪いことだとは認識していない人種なのかもと思った。小保方さんの「どこから取った文章か覚えていない」「画像の転用は単純なミス」という答えも似たようなものだろう。頭が専門家であり過ぎた分、物事の受け止め方が一般人とズレているだけで悪意はないのだ・・と思いたい。

 

音楽だって資源はドレミファソラシドしかないのだからメロディーは枯渇して、カヴァー曲が流行るし、どっかで聴いたフレーズが入っている曲も沢山ある。文章にもやがて同じ現象が起きた時には私の仕事はとても楽になるのにと、たぶん有り得ない将来にちょっとだけ期待するとしよう。

コメント

  1. 的は逗子の素浪人 より:

    学術論文の引用は出展が明記されるされればOKです。

    今回は「キラーデータ」が黒であることが最大の学術的問題です。しかし現状は学術の域を超え、「研究倫理」の問題になっています。
    早稲田の博士号授与、理研の人事、理研首脳部の責任逃れ。全てが、日本の学術ブランド、国益を損なった結果となっているのに、文科省の含め「責任」を取らないことが世界に「日本はおかしい」と思わせています。もう個人の責任ではなく、国、日本の科学、生化学、医学分野の大きな問題です。
    現状は「調査」段階ではなく、速やかに少なくとも副センター長、理研首脳部が責任を取らなければ、日本産の研究、研究者の信頼は無くなる、と思わないといけないではないでしょうか。

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