生しらすの大盛り贅沢食い

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湘南を歩いていると必ず目に付くのが「生しらす」の看板。1月中旬から3月下旬にかけては禁漁なので食べることはできないが、今の時期は逗子、鎌倉、腰越、江ノ島辺りの和食屋では、生しらすが定番メニューになった店が多い。

私が小学生の頃、生しらすは食卓に上るというよりは、釣り餌として使っていた。細かく切った冷麦と生しらすを混ぜると最高のコマセになると教えてくれたのは、片瀬海岸にある釣宿・菊岡丸の船長。当時父は釣りの趣味が高じて小型の漁船を購入し、菊岡丸の隣に係留させて貰っていたのだが、悪天候で無い限り、家族揃ってアジ釣りに行くのは週末の行事となっていた。

相模湾に集まった釣船の仲間に入れてもらい、船の縁からサビキ仕掛けの糸を垂らす。私たちの船だけ入れ食い状態になるのは、早起きして作った「生しらす」入り特製コマセのおかげであったが、今に思えばずいぶんと高くついた釣り餌であった。大漁の後は家に戻って、アジのはらわたを出す作業が待っている。漁師の子供には負けても、私は魚のさばき方が上手な小学生であり、屋根に干したアジの見張り番として日曜日の午後を過ごしたものだった。

そして今や生しらすは高級品。東京ではほんの一握りが上品なパックに入って売られているし、湘南の飲食店でも「生しらす丼」は1000円ぐらいはする。観光地ほど少量しか乗っていなくて、大盛り大満足なのは逗子市小坪のゆうき食堂ぐらいだろう。この店では漁船が一番最後に上げた生しらすを届けてくるので、新鮮さは群を抜いている。

しかし物には程度がある。私は小坪に住んでからは生しらすを食べ飽きて、生臭さが鼻につくまでになってしまった。皮肉なことにそんな状態になればなるほど、親切な漁師さん達からタダで貰える確立が高くなる。

生シラス1
生シラス2

写真はビニール袋いっぱいに貰った生しらす。隣に写っている醤油さしのサイズと比較すると、どれだけの量か想像がつくだろう。時間をおくと傷むので、ご飯の上に全部乗っけるという「大人食い」にチャレンジしたところ、生しらすの中に米粒が浮いて、主従関係の入れ替わった丼になってしまった。
贅沢すぎる!と怒られそうな珍メニュー。でも地元の仲間からいただく親切ゆえの友情メニューなんだと完食し、逗子のギャル曾根になった夕ごはんであった。

コメント

  1. こまちゃん より:

    生しらすと桜エビ!大好きです。
    この時期は食べないと気が済まないですw
    でも、、、丼は。。。年に一度で良いかもwww

  2. yuris22 より:

    こまちゃん

    桜エビも美味しいですよね。
    日本酒に合いそう。あ、でも私は現在、アルコールを出来るだけ控えております。その代わりに日本茶をガブガブ飲むと食欲も減り、ダイエットにもなります。従って私も大盛しらす丼は・・・年に一度ですね(笑)

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