逗子に引っ越してから早起きになり、日の出と共に眼が覚める。
Tシャツ姿で午前中には仕事をこなして、時々は外へランチを食べに行く。
昨日は小坪のピッコロヴァーゾで「フレッシュトマトとバジルのパスタ」を味わった。7時間労働を終えた美食である。

いつものようにオーナーのH氏と雑談。こちらに住むと東京に出かけるのが面倒になるという話になった。何が面倒かって距離や時間ではなく、着ていく服を選ぶのが面倒なのだ。

夏が訪れた湘南では室内着も外出着も、Tシャツに短パン、ビーサンで事足りる。
しかし東京に行くとなればたった1時間の距離でも、スーツに革靴、バッグは何を持とうかと、堅苦しい服装に着替える必要が出てくるのだ。
しかも電車やオフィスの中は冷房が効きすぎているので上着が必需品。室内を必要以上に冷やした分、外はモワーンとした熱気と車の排気ガスで、汚い汗が吹き出てくる。

それなのになぜスーツ? 政府が推奨したクールビズは何割いるんだろう?

昨年の夏、まだ私が都内のオフィスにいた頃、訪れた銀行の担当者は汗でびっしょりだった。
「経費削減で、自転車でここまで来てるんですよ。でも銀行員はお客様より楽な格好はできませんからね。盛夏でも長袖のワイシャツにネクタイ、スーツです。済みませんが上着を脱いでも宜しいでしょうか?」
脱いじゃダメだなんて、どうして咎められる?

三ツ星レストランでディナーを食べるならともかく、日々のビジネスにスーツが制服だなんて誰が決めたのか?
確かにピシッと決めれば気が引き締まるし、仕事は形から入る必要だってある。いつもスーツなら着ていく服選びに悩む面倒もない。
しかし季節に見合わない拘束服のために冷房を効かせて外気温を上げ、混んだ車内でイラついて喧嘩をし、必要以上のクリーニング代に生活費が削られて、何の得があるのだろう?

ランチを終えピッコロヴァーゾを出た後、急に思いたって「げんべい商店」まで車を走らせた。
ユーミンの御用達、知る人ぞ知る湘南チープウェアの有名店だ。倉庫のような店の棚には、色とりどりのビーサンがぎっしりと収まっている。
買ったのはお馴染み「○げ」のTシャツと白いビーサン。ちょっとお洒落にビーサン袋も買ってみた。

げんべい1げんべい2ビーサンの棚

げんべいTシャツげんべいビーサン


私のクローゼットにはマナーに対応できるよう、アルマーニもマックスマーラも下がっている。でも周りが許してくれるのなら季節に合わせて、心も身体もリラックスできる服装でいたい。
それは洗濯機でガシガシ洗える980円のTシャツ。涼しくて楽な格好で仕事が捗って、しかもクーラーのスイッチを入れずに済むなら、地球も人間も経済も幸せになるんじゃないだろうか。

出席者が全員、Tシャツに短パン、ビーサン。そんな国会中継を見てみたい気がした。