May 2008

May 30, 2008

愛すべき枯れおじさんたち

NHKの番組「SONGS」で、ラストツアーを終えたチューリップのリーダー・財津和夫氏の今を見た。白髪頭になっても歌声は昔と変わらず、センシティブな受け答えは年代を越えて歳を感じさせない。育った九州で未来を夢見た少年のままだ。

彼には以前、某企業が主催するコンサートツアーで難題をぶつけたことがある。
シンガーソングライターたち(って死語かな?)が20分に渡って歌うメドレーで、タップダンスを披露して欲しいと強制的なお願いをしたのだ。

リハーサルでは見るに耐えないステップだったのが、ゲネプロではスタッフが「ほほ〜」と目を丸くし、本番では客席から拍手喝采を頂くほどにパーフェクトなタップを披露してくれた。
後から聞いて驚いたのは、痛くて足が動かなくなるほどの個人練習を重ねていたこと。
歌いすぎてポリープが出来たのなら分かるが、足の筋が異常を起すまで特訓してくれたなんて、構成作家冥利につきて頭が下がる思いだった。

職業に誇りを持っての長い一本道。
ちなみに近ごろ「カレセン(枯れたおじさん専科)」という言葉が流行り、酸いも甘いも嗅ぎ分けたおじさんたちが脚光を浴びている。
そのラインナップに並びそうな枯オヤジに、日曜日に行われたJ.J.MONKSのパーティーで再会した。
ムッシュこと、かまやつひろし氏。
実は財津和夫氏と共にタップダンスをお願いした1人であり、かつて私が構成作家としてデビューしたきっかけが、かまやつ氏とその従妹である森山良子さんのコンサートだった。

お久しぶりですかまやつひろしさんかまやつひろしさん2


「お久しぶりです」と挨拶したら、深々と腰を折って挨拶してくれる礼儀正しさと可愛さは昔のまま。
ギターの弾き語りで聴かせてくれた『あの時君は若かった』や『我が良き友よ』に、懐かしい時代が風のように流れていった。

そして知る人ぞ知る、J.J.MONKSのオーナー金光氏も湘南のファンが多い枯オヤジかな。
「ゆりさ〜ん」と酔っ払ってるところを2ショット。

JJの社長と


本当はもっと愛すべき代表格がいるんだけど、その写真は非公開にしておこう(^_-)-☆

yuris22 at 14:03|PermalinkComments(2)TrackBack(0)clip!

May 29, 2008

スピリチュアラーの見分け方

観音様を信奉する友人から「あなたは特殊な能力を持っているのにどうして使わないの?」と尋ねられた。
「スピリチュアルな能力?」と訊けば、それよりもっと強いものだという。
織田家の先祖が後ろ盾にいるのか、それとも頭上に写る金色の蛇か、何かが守護してくれることは確かに感じている。
しかし自分の利益のためにそれを使おうとは思わないし、不当な使い方をすれば因果応報になることも知っている。当然ながら商売になどしていない。

昨日の読売新聞に、開運商法で高額な祈願料をだまし取られる被害が続出しているという記事が載っていた。
全国の消費者センターに寄せられた相談件数は、2003年は1890件だったのが2007年では2928件。スピリチュアルブームに乗って被害が増加しているのだ。
その例としては、鑑定士が「運気が下がっている」「命が衰退している」「水子の霊がついている」などと相談者を脅して、運気を上げるために50万円〜100万円の祈願料を請求するという。

辛い悩み事を聞きながら、相談者の懐具合を探るとはいったい何の鑑定士なのか。
「多重債務を一本化します」と言って高額な報酬を要求する悪徳弁護士と大差ないだろう。

コールドリーディングの専門家、石井裕之氏の著書『なぜ、占い師は信用されるのか?』によると、心理学に長けた占い師は「サトルプリディクション(Subtle Predictions)」なるテクニックを使い、絶対に外れない予言をするという。

例えば、金銭問題の相談に来た人に「近いうちに大きなお金が入ってくるチャンスがあります。ただし注意していないとそのチャンスを見過ごすことになります。」と示唆する。
もしも予言通りになれば「ほーら当たった!次はもっと大金が欲しくありませんか?」
予言が外れれば「あなたが注意を怠ったからチャンスを逃したんです。次の好機を占いましょうか?」
当たっても外れても、さらに相談者から鑑定料を取れるコミュニケーション術なのだ。

近ごろSNSに乱立しているスピリチュアル系のコミュを見ていると、純真な子羊たちが騙されないかと心配になる。
高波動のエネルギーを送るとか魂のカウンセリングをするとか、入り口は無料を装っていても、中に入り込めば高額な会費を取られるケースが多いからだ。

スピリチュアラーがみな偽者だとは言わないけれど、他力本願で運がアップするなんて都合が良すぎないだろうか?
もしも良いことが起きたなら理由は簡単。自分を信じて自分を励まし、心がポジティブになったことへのご褒美である。

占い師に関しては長くなるので、1月10日の日記「不幸自慢の占い師たち」をご覧下さい。

May 27, 2008

他人のふんどしブログ

私は天才コメディアンといわれるH.K氏が苦手だ。
他人の失敗をあげつらって笑いを取るスタイルや、偽善者面したアピールの仕方が鼻に付くからだ。自分の芸はどこにあるの?と聞きたくなる。

そのH.K現象が、今はブログの世界に起こっている。他人のふんどしで人気を取ろうとするお気楽ブログだ。
アフィリエイトの仕掛けだらけで、あなたのお財布を狙う「罠ブログ」。
RSSリーダーで記事を集め、さも自分が!の題名で集客する「やどかリブログ」。
最もがっかりするのは新聞記事などを丸ごとコピベして、わずか数行の意見を書いただけの「感想文ブログ」だ。

感想文を書くのは、ゼロから書き出す作文とは違ったテクニックが要る。
対象となる書物のあらすじをどこまで盛り込むか、引用の仕方が下手だと単なる書き写しになってしまうし、それを避ければ「〜だという」「〜だそうだ」「〜らしい」といった語尾の羅列になる。
意見の主張に走りすぎれば、何について語っているのか線路を外れてしまう。

某ラジオ局で映画評論に関わっていた頃、3分間で読み上げる原稿をどう組み立てるかで常に迷った。
配給会社で試写を見ての感想なので、ほとんどのリスナーはストーリーを知らない。
サスペンスなのかラブロマンスなのか、監督・俳優は誰なのか、どんなシーンが見所なのかと情報を提供しつつ、パーソナリティーの個性が出るコメントを織り込む3分間であった。
しかも毎日の番組であれば、マンネリ化しないよう手を変え品を変える。

売り物ではないブログの場合、誹謗中傷でもしない限り他人にとやかく言われる筋合いはないだろう。こう書くべきという、マニュアルもルールもないだろう。

しかし他人のふんどしを借りてまでランキングに拘るのは如何なものか。
Webで公開する以上は、自分の文章に誇りを持って欲しい。
ブログはあくまでも読者が見つけ出して読んでいくものであり、「トキメキ希望です」と届く一方的なスパムメールとは方向性が違うのだ。クリック損にしないで欲しい。

ブログ乱立の時代にも、そろそろ秋風が吹く気がするのは私だけだろうか。

May 26, 2008

おしかけノラ猫からの警告

今日はブログ速報なので短文です。

馴染みのお店のパーティーに参加し、しかも三次会で盛り上がってタクシーで帰宅した。
家に上がる階段で、ニャー!という声と駆け下りてくる白い姿。
前にも何度か書いたことのある押しかけペットのリズである。

とりあえずはボディを撫でたら、寝転んでゴロゴロ。
ピンと尻尾を立てながら、まとわり付いてスリスリ。
毎度ありがちな親密さだけど、今日は普段より諦めが早くて気が落ち着かない。

夜のリズ

「待っててね」と声をかけ、家から煮干しを持ってきた。
一匹だけ食べてくれたけれど後は無視。遠くを見て喉の奥でウーッとうなっている。
しかも私を守るように凛々しく背筋を伸ばして、忌まわしい何かを睨んでいるのだ。

何か起きるのかな・・・とても心配。
どうか明日は平和な1日でありますように。
愛する人が無事でありますうように。

願わくば何よりも、5月ボケした猫の思い過ごしでありますように。


追記:午後14時53分 愛車も警告

銀行に行こうと車に乗ってマンションの敷地外に出た途端、ガクンガクンと激しくノッキングを始めた。
アクセルを踏んでも超低速すぎて走行はほどんど無理。なんとか駐車場まで戻って、ディーラーに引き取りに来てもらった。
まだ1万キロしか走っていないし、昨日まで調子も良かったのに何故だろう?

猫のリズだけでなく、愛車のMINIも今日は私を外に出したくないらしい。

ディーラー引取り

May 24, 2008

ホームドクターの笑顔

生身の身体を持つ以上、病院選びは生涯のテーマだ。
大病院志向が強い日本人は、ちょっとした風邪でも紹介状なしで総合病院に行きたがるという。その結果、高度な医療を必要とする患者に皺寄せが来たり、医師の労働時間と過労も増すばかり。みんなイライラ、身体はもちろん精神状態にも良くない。

CITIZENが2005年5月、首都圏のビジネスパーソン400人を対象に行った「待ち時間」意識調査では、「総合病院でどのくらい待たされるとイライラしますか?」の問いに対して、なんと半数強が30分と答えているという。

かく言う私も月1回、都内の専門病院に通っているのだが、混んでいる時には2時間待って診察時間はたったの5分。会計や処方箋薬局での待ち時間を入れると3時間コースになる。
この病院では診察時刻が近づいたら携帯電話に知らせてくれるサービスがあるものの、
外出するのが面倒なのか、あきらめ顔で待つ患者たちがほとんどだ。

なるべく待たなくて済む診察。しかも納得がいくコミュニケーションをとれる診察。
内科に関してなら、私には素晴らしいホームドクターがいる。

胃潰瘍になった昨年の夏、友人に紹介された近所の開業医なのだが、不安いっぱいの私にニコニコしながら、「あなたは大丈夫!」と現代医学の進歩を説明をしてくれた。
また来るのは大変だろうと、血液検査の結果は自宅へFAX。電話で詳細を教えてくれる
上に「いや〜な胃カメラを飲む必要があっても、上手なところを知ってるからね」と不安を取り除く。
処方して貰った薬がドンピシャで効いて後日お礼に行った際も、再度血液検査の結果を用語解説つきで教えてくれるという親切さだった。

友人の紹介だからかなと思いきや、診察室から出てくる患者さんたちを見ていると、翳りが取れて柔らかな表情になっている。
ホームページや広告すらなくても、地元の人たちには人気の病院なのがよく判った。

さて話は元に戻り、困ったのは都内の専門病院。来月も待たされると思うと憂鬱になる。
どこか近場を紹介して貰うべく、ホームドクターを訪ねてみようかな。
「僕の知り合いにいい医者がいるよ」と、あの先生なら親身になってくれるはず。
もちろん「飲みすぎ」の検査もお願いして、「大丈夫!」の笑顔を貰ってこよう。


May 23, 2008

空から卵が降ってきた

私の日課はテラスでマンデリンを飲みながら、緑の木々を見ることから始まる。
空にはトンビがくるくると弧を描き、鳴き方が上達してきたウグイスがホーホケキョ。
風に乗って漂ってくるラベンダーの香りに、深くゆっくりと息を吸う。

いつもの朝、いつもの風景、そこにポトッ。
空から何かが落ちてきて、目の前の白い手すりに乗っかった。
見れば卵の殻なのだが、当然ニワトリでもウズラでもなく、ギザギザの割れ方をしている。
なんとアクロバティックな着地だろう。でもどうして空から卵が降ってくるわけ?

テラスの落し物ツバメの卵


そうか、犯人はツバメだ!
我が家の近くに巣があるらしく、近ごろツバメが頻繁に行き来しているのだ。時には私の頭上を猛スピードでかすめ飛んでいくこともあり、こっちが「キャッ!」と声をあげれば、向こうも「ピピピッ!」とけたたましい。

きっとヒナが誕生して、元気すぎて卵の殻を蹴散らしたのだろう。
巣立ちまで3週間。これからは賑やかな口ばしたちに餌を運ぶのに、ツバメの両親はますます忙しくなる。

でもどうかお願い。
くわえた昆虫を上からポロリと落とさないでね。毛虫だったら気絶する〜・・
私の車の上に気前よく糞を落とさないでね。屋根が白い水玉模様かも〜・・

今のヒナたちが飛び立って更にもう1回、2番子が巣立てば、暑い夏がやってくる。
発着陸が忙しい季節の使者は、あわてんぼの超小型ジェット機だ。

May 22, 2008

アフター5の小さな旅

オフィスワーカーが家路を想う時刻、ちょっと早めに小田急新宿駅に急ぐ。
思いつきのメインイベントは、ロマンスカー「はこね41号」の先頭車両に乗ること。
シルキーホワイトのボディ、50000形VSEの特急がホームに入ってくると、鉄道マニアの少年みたいに心が弾みだす。

ロマンスカー

17時10分発・箱根湯本行。
梯子で2階席に上っていった運転士のアナウンスが終われば、ピンポンンパンポーンとおなじみの警笛(ミュージックホーン)を鳴らして出発だ。

最初の停車駅・町田で通勤客はほとんど降りていき、ビールやワインで上機嫌な観光客たちは前方の席に移動を始める。
正面の窓には2本の線路。右側の窓には丹沢の山々と富士山のシルエット。そして左側を見れば台風一過、龍の形をした雲が悠々と併走していく。

先頭車両車窓から


勾配がきつくなる小田原からはスピードを落として、18時38分箱根湯本に到着。
同じホームで待っている箱根登山電車に乗り換えれば、今日の目的地の塔ノ沢まで一駅だ。旅行気分がますます盛り上がる。

塔ノ沢駅ひめしゃらの湯


最終受付に間に合った日帰り温泉「ひめしゃらの湯」は午後8時までの営業。貸しきり状態の露天風呂でのんびりする時間は充分だ。
ハイヒールにアルマーニのスーツ姿から、夜間割引の入湯料600円とタオル代300円で地元の湯治客に変身する。

岩風呂にチャポーンと浸かり、森林の香りを胸いっぱいに吸い込むと「あー、日本人で良かった!」。投げ出した足から疲れが引き、火照った頬にひんやりとした夜の風が心地良い。

帰りは小田原から東海道線に乗って、缶ビールと蒲鉾かな。
日常を抜け出した5時間の小さな旅は、心の荷物を降ろす大きな贅沢である。

May 19, 2008

敬語の基本は感謝の気持ち

某企業から総会の案内状が届いた。返信用の封筒を見て唖然。宛先の後に「御中」と印刷されている。「○○行」と付けるのがマナーの基本であろうに、この企業は自分を「様」だと思っているのだろうか。

日本語の乱れ、特に敬語の乱れが取り沙汰されて久しい。「尊敬語」と「謙譲語」の使い方が逆であったり、二重敬語になっていたりで苦笑する場面も多い。

例えば電話の応対。
取引先から「○○部長はいらっしゃいますか?」との電話を受けたとき、「部長はもうお帰りになられました」と答える間違い。
正しくは下記のような返答をする。
「申し訳ございませんが、○○は本日失礼させて頂きました。よろしければ私が代わりにご用件をお伺い致しましょうか?」

どうすればそんなスキルが身につくか。
ビジネスマナースクールで高い月謝を払って習得する以前に、そもそもマナー教育は子供のうちから家庭や学校で行うべきものだろう。

私の通っていた学校では幼稚園生にして、朝夕の挨拶は「ごきげんよう」、感謝の言葉は「恐れ入ります」と言うように躾けられた。
こまっしゃくれた子供だと思いもするが、敬語は何度も口に出す訓練を積まないと咄嗟のときに出てこない。シドロモドロの応対で恥をかくのが落ちだ。

たとえ敬語を知らない親であっても、トレーニングできるシーンは幾らでもある。その基本は常に相手への感謝と労いの心だ。
宅配便の荷物を受け取ったときは「いつも届けてくれてありがとう」と言葉をかける。
道の清掃をしている人には「綺麗にして下さって気持ちがいいです」と笑顔を向ける。
狭い道で誰かと擦れ違うときには「お先にすみません」と会釈をする。
何かお願いするときには「申し訳ございませんが」「お手数ですが」のワンクッションを添える。

品のある日本語・正しい敬語を使えば、相手もそれに応えようと努力するはず。
習うより慣れろのトレーニングとは、自分で納得する積み重ねである。

May 18, 2008

屋久島からのサプライズ

「今、屋久島ではまっているもの・・それは竹の子採り!!ニョキニョキ。母の日ってことで?ゆりさん達にも食べてもらいたいなァ〜と思ったから、採りたて、ホカホカの竹の子君たち(まだけ)を送りまぁす!!」

今朝の宅配便で届いた段ボール箱を空けると、何十本もの竹の子(真竹の子)と共に、絵文字いっぱいの手紙。屋久島の友人から届いた嬉しいサプライズだ。
屋久島では豪快に2シーター(軽トラック)をかっ飛ばす彼女は、いつもニコニコ、ハートの綺麗な天然ガールである。
私を母と思ってくれてるのかと苦笑いしながら、日曜日の用事が出来たことを喜ぶ。

屋久島のたけのこ

さてどうやって食べようか?
アルミホイルで包んでオーブンで焼いてもいいけれど、ここはもう1人ハートの綺麗な友人にお願いすることにした。
ご近所の石釜焼きピザ屋「自遊人処」のオーナーSくんに、試し焼きして貰うことにした。

以前とうもろこしを焼いた経験からと、お皿の上にそのまま竹の子を乗せて石釜の奥深くに入れる。
お喋りをしているうちに、皮が真っ黒に焦げて焼き上がり。
アチアチと言いながら釜の横で皮を剥いていくと、ジューシーな白い中身が現れる。

自遊人処にて焼きたけのこ焼きたけのこ完成


ちょっとお醤油を付けて、さっそく裏方で試食。「おいしい!」と一同に顔を見合わせた。
400度の高温で焼いただけあり、えぐみが飛んで舌触りもなめらかだ。
他のお客様にも食べていただくと、幸せの香りがどんどん広がっていく。

冷たい生ビールをを注いだテラス席は、我が家のようなゆったりとした午後。
きな臭いビジネスの用件を携帯電話で済ませているうちに、こちらの安堵感が伝わっていくのか、向こうの声も朗らかになる。

周りではいつの間にかお客同士の会話が始まり、スパークリングワインを追加。
「こっちはポカポカ陽気で常に眠い・・・Zzz」と書かれていた屋久島からの手紙が伝染したのか、私もほんわかと眠くなる。

ありがとう。屋久島の竹の子は逗子の親善大使になったよ!
帰り道、軽くなった手提げ籠には幸せの空気がいっぱいに詰まっていた。

May 17, 2008

ノースリーブは大人の勝負服

昨日は青山の某所で、大御所スタイリスト女史にバッタリ。
「久しぶりにどう?」と誘われ、白金高輪の三合菴で早めの夕食を取った。
いつも予約でいっぱいの、業界人好みな蕎麦屋である。

あいにく車だった私がお茶で我慢するのに対して、彼女は手酌で日本酒を飲む。
カーディガンを椅子に掛けると、その下にはノースリーブの黒いワンピース。
お酒を飲む席での潔いスタイルは真冬でも変わらない。
ウェーブのきいた黒髪と、仕事でバリ島帰りの焼けた肌が一際オーラを放っていた。

彼女は還暦を越えている。
見るまいと思いつつ、おせじにも細いとはいえない二の腕に目が行く。
真正面に顔があれば、弛んできたなと思う頬のあたりも気になる。
でもそれがどうした?と言えるくらい、自信に満ちたチャーミングな表情がマイナス面をカバーしているのだ。

「ステキなものを見せましょうか。」
先日パーティーで撮ったという、友人たちの写真を見せてくれた。
驚いたのはその撮り方で、どれもこれもファインダーいっぱいに顔を大写しにしている。
デザイナー、女優、女医、料理研究家・・名だたる女性たちの顔は、みんな共通して目が物を言う。皺があろうが弛んでいようが、でっかく美しい存在感に満ちていた。

誰でも平等に歳をとる。
昔なら人生50年だったのが、今では日本女性の平均寿命は86歳。
老いて当たり前なのだから、二の腕もシワもタルミも美容整形などする必要はなく、老いを美しく見せる方法を探せばいい。

よーし、ポジティブに行くぞ!
家に帰った私は、さっそくクローゼットのノースリーブを物色した。大人の勝負服になるかどうかは、これからの人生経験にかかっている。