July 2007

July 31, 2007

歩く速度を変えること

狭い歩道で、前を歩く人の速度が自分よりも遅かったらどうするか。

1.何も考えずに後に従う。
2.声をかけて追い越す。
3.イライラしながら前に出るチャンスを待つ。

東京に住んでいたころの私は2か3だった。
恵比寿ガーデンプレイスの動く歩道では、前を歩く人を追い立てるようにパンプスの踵を鳴らして歩いたし、NHKに向かう渋谷の井の頭通りなどは、歩道を諦めて車道を競歩のように急いだ。

時間に追われてもいないのに何故?
単なる癖だとしか答えは出なかった。

昨日の大雨の中、傘にしがみついて歩く私の前に、1人の老人が横道から入ってきた。後ろなど気にせずに、彼女はゆっくりと足を踏みしめながら歩く。

追い越そうか。でもその気持ちは徐々に失せた。
傘が当たるからという理由もあったが、ゆっくり歩けば無駄な汗をかかず、疲れることもない。
夏こその新発見!

さらに歩道の脇の景色が、例えば街路樹の葉から落ちる雫であったり、軒下で雨宿りしている工事人たちの暇を持て余す仕草であったり、今まで見えなかったものがスローモーションで目に入るのだ。
世界が映画のように楽しいなんて!

やがて広い道に出て、老人はまっすぐ、私は左に曲がる。
これからの人生、まだまだ曲がり角を右へ左へと歩いて行くのだろうけれど、闇雲に無駄な汗をかくことはやめよう。大切なものを見過ごさないように、無理のないペースで歩こう。

振り向くと小さくなっていく彼女の背中に、心の中で「ありがとう」を告げた。


July 30, 2007

プールサイドの休日

土曜日に続いてまたもや茹だるような暑さ。
外出する気が失せて、マンションの敷地内にあるプールで午後を過ごした。
利用できるのは住民とその親類に限られているので、いつも空いているのがメリットだ。

プール3パームツリー


パームツリーの下、今日のBGMは子供たちがはしゃぐ声と水しぶきの音。
急降下で飛来するツバメたちが、水面にチョンと嘴を付けていく。
軒先で見かけた雛たちが、大人になって飛行訓練をしているのだろうか。

文庫本から目をそらして空を見上げると、ゆったりと大きな弧を描くトンビたち。
真似するようにツバメたちが、その下でせわしなく小さな弧を描いている。

やがてカテドラルから、午後5時の鐘。
バスタオルを持ったお母さんに身体を拭かれ、子供たちが帰っていく。

プール1プール2


部屋に戻りシャワーを浴びて、夕食の支度する。
今夜のエンターテイメントは、テレビでも映画でもなくて窓の外。サンダーストーム劇場。
稲光に照らされた夜空が、昼間のように明るくなる様をずっと見ていた。

雷雨1雷雨2


やがて訪れる平和な静寂と眠り。
今は午前5時。自然の営みはヒグラシの声に変わった。
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July 29, 2007

ディープな鎌倉

暑い。しかも湿気があって暑いのは何もする気にならない。
巨匠の仏頂面でも見に、鎌倉の「THE BANK」に行こうかとテレテレと歩いていたら、由比ガ浜商店街で不思議な店を見つけた。
高級洋食器やアンティークグッズを売っている「ブルー3」という店だ。

ブルー3Blue3


どうにも名前が気になる。2店舗並ぶうち、左側の店舗に入って理由がわかった。
奥の棚にはブルース・リーを中心とした格闘技ビデオがびっしりと並んでいる。ここだけ秋葉原、ここだけオタクなのだ。
ウェストバッグを下げてウロウロしている店主に、冷やかしでは悪いので何か買おうかと思ったが、どう探しても買いたいものが見つからない。

こそこそと表に出てテントを見上げれば「格闘科学研究所」の文字。
鎌倉の御成商店街や由比ガ浜商店街は、レトロな宝飾品屋や駄菓子屋、超高級ハンドバッグ屋など、どうやって生計が成り立ってるのか不思議な店が多い。

「THE BANK」でビールを飲んだ後は、またテレテレと歩いて若宮大路へ。
二の鳥居の近くにあるJAZZ&RESTAURANT CLUBの「DAPHNE(ダブネ)」へ入った。ここでは近隣のみならず都内からも一流ミュージシャンがやってきてジャズ・ライブを楽しませてくれる。

今夜の出演はギタリストの直居隆雄氏をはじめとする4ギター&ベースの「Guitar Workshop」というセッション。

DAPHNEライブ

写真の中央に立ってる直井氏は、私が「加山雄三コンサートツアー」の構成をしていた頃、一緒に全国を回ったバンドリーダーで、日本作編曲家協会の常任理事でもある。当時に比べたら、すっかり髪は白くなっちゃったけど、持ち前の律儀さはそのままでギターの腕前は益々アップ。

さらに懐かしい顔がもう1人、写真では一番右側に写ってる萩谷清氏は、NHK教育TVの「ワンツーどん!」で新曲を作る際、演奏をお願いしたギタリストだ。

DAPHNEのライブ・スケジュール表を見たら、そこかしこに懐かしい名前がいっぱい。
みんな地道に活動してるんだ〜と、当たり前ながら当たり前じゃないミュージシャン生活を目の当たりにした夜だった。



July 28, 2007

たかが花火されど花火

夏の夜空に咲く大輪の花々。昨夜の逗子海岸花火大会は思いのほかゴージャズなショーだった。

夜7時45分から8時半までと時間は短いが、打ち上げ総数7,000発はたぶん湘南で最大規模。しかもラスト10分間の打ち上げ総数は5,000発と、日本で最大規模。
逗子は居酒屋の「甘太郎」が発祥の地ということで、フードサービス企業の「コロワイドグループ」が出資しているという。

噂を聞きつけた観光客で、逗子の駅前近辺は大混雑。
仕掛け花火が見物できるハーフマイルビーチ・逗子海岸に向けては、交通規制が敷かれている。
家から歩いて行くのは可能だが、人に揉まれない静かなところで見物しようと、マンション敷地内の駐車場で立ち見。でもアルコールがないと寂しいなと、次に我が家のテラスをプライベート会場とすることにした。

逗子花火大会1逗子花火大会2逗子花火大会3


建物で花火の一部は欠けてるものの、サイズも音も迫力充分。
グランドフィナーレは大型花火が間髪なく上がり、まるで爆撃かと思うほどだった。

湘南での大規模な花火大会。8月7日には片瀬西浜で打ち上げ数5,000発の江ノ島花火大会が待っている。
実は10年ほど前、小田急片瀬江ノ島駅の近くに住んでいたことがあり、自分の住まいから見える花火では最大サイズだった。
地を揺るがす音はもちろん、何よりも驚いたのは大輪の花が開いたあとに「おおーっ!」「パチパチパチ!」という見物客のどよめきと拍手が、部屋の中まで聞こえてくることだ。

湘南で育った私には見飽きた花火。それでもやっぱり気になる花火。
音がすればどんなに遠くだろうと、あのオレンジの光の花を見つけると安心する。
喧騒のあとの切なさを引き連れて、今年も短く暑い夏がやってきた。

July 27, 2007

ユニフォーム・コミュニケーション

横須賀線で帰ってきた深夜の逗子駅。
ロータリーのタクシー乗り場には、ひゅんひゅんとミツバチが帰巣するかのように黒いタクシーたちが飛び込んでくる。

私の順番が来て乗り込むと、運転手さんがブルーのアロハを着ていた。
「かっこいいですね!」と思わず褒めたら、笑っちゃう反論。

「とんでもない。無理やり着させられてるんですよ。ほら、逗子は今『まちいっぱいのハワイアン』ってのをやってるじゃないですか。
去年もやってたんだけど、アロハなんかどっかにやっちゃったよって言ったら、これ着ろって社長に渡されてね。どうせならもっと高いのをくれってんだ。」

そうか、町ぐるみのハワイアン運動だったのか!
小坪の郵便局でもスタッフが全員アロハだったわけが分かった。都市銀行の緊張感はなく、預金窓口もまったりモード。来る人みんな顔見知りみたいな親近感が漂っている。

まちいっぱいのハワイアン


夏の逗子を歩いていて気付くのは、げんべいの「○げ」Tシャツとアロハ人口が多いこと。
駅前のスタバでお茶していたら、隣のお兄さんとお揃な「○げ」だった事もある。
顔を見合わせてニンマリ。海が近い場所ならではのユニフォーム・コミュニケーションだ。

さて今夜は逗子海岸の花火大会。
第50回記念とかで、ラスト10分は5,500発の日本最大規模フィナーレが見られるという。
終わったら椰子の葉の屋根が目印な「VAHANAS BAR(バハナズバー)」で、ロコモコとマイタイかな。
気分はハワイ人たちが、日に焼けた足にビーサンで集まっていることだろう。

July 26, 2007

子連れ外食のマナー

逗子の駅前に出来たミュージックバーに、ブルースの投げ銭ライブを聴きに行った。
都内ではちょくちょく行ってたライブも、引っ越してからは久しぶり。
小さな店が満席以上になり、そろそろ音出しかという頃、ドアが開いてベビーカーが入ってきた。

生後3ヶ月ぐらいの赤ちゃんを抱き上げてスピーカーの近くに座ったお母さんに、お客さんたちの目が釘付け。
音に驚いて泣き出さないかな、煙草は吸っちゃいけないな・・と、困った表情が見て取れる。
お母さんにしてみれば「どうぞお気遣いなく」かも知れないが、気を遣わずにはいられない。1時間ぐらいなら誰かに預けるなり、ベビーシッターを雇うなり出来ないのだろうか。

早々に店を出て、近くのJ.J.MONKSへ。
ここは七里ガ浜で営業していた頃から「お子様連れお断り」のレストランバーだ。
ランチタイムなど、子供連れの若いお母さんグループを入れたほうが儲かるんじゃないかと聞いたところ、「それも考えたんですが、やはりお酒を出す店ですからね。」と答えた。
J.J.と同様、小坪のイタリアン「ピッコロ・ヴァーゾ」も子供はダメ。ファミレスに行けばいいんですよと、きっぱり言う。

いつだったかそのファミレスで食事をしていた時。
後ろの席の子供が椅子をドンドン蹴ったり、こちらの席を覗き込んだりで落ち着かない。
振り向いて睨みつけると、煙草をふかしながらお母さんが声をあげた。
「ほら、怒られちゃったじゃないの。さっさと食べなさいよー」
躾が必要なのはアナタでしょと言いたいのをこらえ、食事途中で席を立った。

外食マナーを教える場として、早いうちからのレストランデビューは大切だろう。
ただし子供は本来、飽きやすい、騒ぎたい、走りたい、泣きたいもの。ぐずりだした時には外に連れ出すなり、早めに会計するなりの仕切り直しをして欲しいものだ。

子供は天使である。でも自分の子供は、誰の目にも可愛いとは限らない。
子育てにTPOの選別は、常に付きまとうものである。

July 25, 2007

左側で挨拶します

写真を撮られる時、私は右側を写されるのが苦手だ。
人と並んで歩く時も、カウンターで隣り合う時も、相手が右側にいると居心地が悪い。

右脳は左半身を支配しているので、顔の左側には感情が出て表情が豊かだというが、あながち右脳・左脳のせいだけとは思えない。

『コールドリーディング』で有名なセラピスト・石井裕之氏によれば、人間には『意識の側』と『無意識の側』があるという。
バッグを下げる時は無意識の側に下げることが多いし、身体の重心が傾きがちなのも無意識の側、髪の分け目が来るのは意識の側というように、人によって左右が分かれている。
無意識の側はちょっとだけ反応が鈍いので、アプローチするには期待薄。
ビラを渡したい時やナンパしたい時は意識の側から攻める方が、立ち止まってくれる確率が2倍にもなるそうだ。

『"心には入り口がある"のです。人に入ってきて欲しい側と、入ってきて欲しくない側がある。つまり、入り口の側からアプローチすれば、相手は警戒なく心を開いてくれるものなのです。』(石井裕之著『なぜ、占い師は信用されるのか』より抜粋)

というわけで皆さんに入ってきて欲しいがため、プロフィール写真は左側の顔で挨拶することにした。
逗子の自然の中では感情を押し殺す必要はなく、心を開いた意識の側を見せよう。
自分らしい自分でいるために。

July 24, 2007

女がすたらない生活

炊事、洗濯、掃除が好きだ。
主婦をしていた頃は義務でやっていたのが、今はどんなに仕事が忙しくても、楽しく手抜かりなくやっている。

例えばご飯を炊くこと。
電気釜ではなく、食べたい分だけを土鍋で炊く。
1時間前に米を洗ってザルにあげ、水の量は正確に土鍋で炊くこと13分。オコゲを作るために最後の10秒は強火にして、火を切ったら15分蒸らす。梅干しだけで充分なご馳走になる。

例えばジーンズを洗うこと。
水に塗れると生地が硬くなるので、ファンに当たって擦れてしまわないように、裏返して洗う。洗剤は白くこびり付かないようにお湯で溶かしてから入れる。
でも大した汚れでなければ、チープな色落ちにならないように洗剤なしで洗うのがベスト。

例えば大掃除をしないこと。
溜め掃除はせずに、汚れる前に掃除する。特にキッチン・台所・バス・トイレの水周りは、使ったらその都度ピカピカにすれば、次の人だって汚さなくなる。

例えば冷蔵庫を管理すること。
ショウガの一かけに至るまで、保存してあるものを全て記憶しておく。
生きているものを頂くことに感謝して、賞味期限が近づいたもの・半端な残り野菜で作れるレシピを沢山持つ。

ハウスキーピングは、ボディラインのキープと同じ。
だらしなさをちょっと許せば不用品が溜まり、人には見せられない醜い姿になっていく。「見て見ぬ振りをすること」や「今日はイイや」はご法度なのだ。

60になろうと70になろうと、家も自分も綺麗でいたい。
誰も連れ込めないようじゃ、女がすたりますからねっ(過激?)。


July 23, 2007

不思議3連発の日

昨日は散歩日和の日曜日。披露山まで歩いてみることにした。

坂道を上り汗びっしょりで、Cafe&Bar「CRIST BAL」に飛び込んだ。
窓際の席からは逗子海岸を見下ろせる、シックな雰囲気のレストラン。裏手には森が広がって、BGMのジャズと共に心が和む。

クリストバル1クリストバル2クリストバル3


披露山公園にはカメラを持ったカップルや家族連れ。展望台に上ると逗子マリーナを眼下に、江ノ島、相模湾が一望できる。

披露山公園1披露山公園2


帰り道は下り坂。遊歩道を抜けながらファミリーマートの前にある古着屋さんに立ち寄ってみた。
不思議はここからスタート。お喋り好きなお姉さまからいきなりの大歓迎を受け、「私がブイブイ言わせてた頃に着てた服なのよ」と、半ば強制的に緑色のワンピースを勧められた。緑は私のラッキーカラーでもあるので、着替えてそのまま散歩に戻る。

小坪港に近づくと、はっぴ姿の子供たちが目に付く。
そうだ今日は小坪須賀神社の祭礼「天王祭」の最終日、還御(納め祭)だった。
国道134号線のガード下に集まる山車を見物。すてきなお兄様と記念撮影してみた。

天王祭1天王祭2


次の不思議が起きたのは、材木座まで歩こうと通りかかった小坪公民館の前。
氏子の男衆たちが、やぐらの解体作業をしていた。

「ちょっとお姉さん。そんなとこフラフラ歩いてないで手伝いなさい」と呼び止められ、木槌を手渡される。
みんなの「ヨイショ!ヨイショ!」の掛け声の中、力いっぱい木槌を降りかざして作業は終了。お疲れ様の缶ビールを貰い、山車を引く列に参加すると、またもや先ほどのガード下へと向かっていく。
地元のお祭りに参加したのは子供のとき以来。町の人々の温かさに触れたひとときだった。

天王祭3

そして三番目の不思議は自宅前。あの押しかけペットのリズが玄関の前で待っていた。
ミャーミャーと寄ってきて私の前でゴロゴロ。お腹を出して幸せそうに寝そべっている。
「ダメよ、ペットは飼えないの」とドアを閉めて数十分後に覗きに行くと、またもや「ミャー!」。

リズ

いつも須賀神社の石段にいた猫が、よりによってなぜ祭礼納めの今夜にやってきたのか。
どんな言語より、猫語を話せたらと思う夜だった。





July 22, 2007

ゆうき食堂のおすすめメニュー

小坪に住んでいながら、なぜ「ゆうき食堂」のレポートがないの?と言われる。
あまりに慣れ親しんで、今さらアップするのは小恥ずかしい気がしていたが、お勧めメニューを幾つか紹介しよう。

ちなみに「ゆうき食堂」は逗子マリーナのそば、小坪漁港入り口にある定食屋。漁師小屋みたいな店舗の横には、駐車場にビーチパラソル席が設けられている。

小坪漁港

刺身定食やアジフライ定食など、貼りだされたメニューを決めたらレジでお金を払い、席で待っているとお姉さんがトレイにどーんと乗った大盛り定食を運んできてくれる。
呑んべえさんには単品メニューのオーダーもOK。

さて画像の解説。
まずは「地だこの刺身」。ハサミが添えられてくるので、自分でぶつ切りにして戴く。タコのサイズによっては丸ごと一匹登場するときもある。

地ダコ地ダコ2


次に「まぐろのメンチカツ」。子供の頭ほどもある巨大カツだ。
割ってみると中身はジューシーで、ネギの香りもほど良い絶品。

まぐろのメンチカツまぐろのメンチカツ2


最後は「光り物3点盛り定食」。この日はアジが終わったとかで、サワラ・サンマ・イワシの3点だった。お醤油をちょこっと付けてご飯に乗せて食べると「やめられませーん」の幸福が訪れる。

光り物定食

満腹感に浸りながら眺めるは、向かいの釣り道具屋の軒先。子ツバメたちの巣立ちも間近だ。
もうすぐ真夏がやってくる。